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Sakuma side.
車から荷物を下ろすためにトランクを開ける。
カタン
あれ、なんか落ちたぞー、フィギュアの足ーっ！
『…へ』
へ？
『…２時。』
「え、人？」
振り返ると髪の毛の長い女の人が立っていた。
『っうわぁ！』
ドドン！ドサッ！
カランカラン…
「え、大丈夫？！」
よほどこちらにびっくりしたのか、
お化けかなんかと勘違いしたのか、
持っていた袋が手から落ちて、本人も後ずさりをした時にヒールが引っかかったのか、まあまあダイナミックなコケ方をする。
『ったあ…』
「え、ワイン割れてるっ！怪我ない？！」
『…だ、大丈夫です』
地面に広がる液体。
ワイン、と、ケーキ？
「なら良かった…、ワインの他、あ？ケーキ？お祝い？」
『あ…ま、まあ』
痛そうにゆっくりと立ち上がる様子をずっと見る。この人誕生日かなんかなのかな。だとしたら、ワイン割れちゃったし、めっちゃ申し訳ないことをしてしまった。
「一応、聞くけど、ここの人だよね？」
でも。顔バレもあんまりしたくないんだよなー。
『あ、はい。102の姫野Aです。あ、引っ越してきた人ですか？』
「あ、うん。」
『こんな夜中に。大変ですね。』
「仕事の関係で。あんまり昼間に移動出来なくて。」
『へぇぇ』
めっちゃ興味なさそう。
『今、住人わたししかいないので、何かあれば言ってください。じゃ。』
「ありがとう〜おやすみー」
外灯と月明かりしかない庭で、はじめてその人と目が合う。
簡単にいえば、閃光が走った。
え、可愛すぎるんだけど。
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作者名：rinao | 作成日時：2024年1月19日 5時
