23 ページ23
.
『…ん、ふあぁぁ』
6時。
休みか…
はっ！そうだった。
一瞬、なぜ自分がソファにいるのかわからなかったけど、覚醒してきて昨日の記憶が蘇る。
さっくん、
こっそりと寝室を覗くと、昨日と同じように寝息を立てているさっくんがいる。
中に入るのは流石にプライバシー的にな、
自分ちなんだけどさ。
何時に起きるのかな。大丈夫かな？
『…とりあえず。』
顔を洗って、キッチンに立つ。
トントントン
豆腐とネギの味噌汁とおにぎり。
気の利いたことはまったくできないんだけど。
『‥食べれる人かわからんしなあ‥』
そう。そもそも、まったく相手のことがわからない。趣味も趣向も、何も知らない。
『‥隣人だからいいのか』
さっくんは友達って言ってくれたけど。やっぱり自分から近づくのは良くない気もして。
ガラガラ！
「Aちゃん！」
『あ、さっくん。おはようご「ほんっっとにごめん！俺…！
変なことしてない？！？！」
泣きそうな表情のさっくんが面白くて。
もはや土下座の勢いで頭を下げる。
『‥あー。』
「ぇえ？！何した？！本当にごめん！」
『冗談っ。何にもないですっ。すぐ酔っぱらって寝ましたよ。』
「え、それはそれで‥」
『あっ、なんか二の腕ポカポカ叩かれましたっ』
「えー！大丈夫ちょっと見せて？！」
『だだ、大丈夫です、冗談ですっ』
ぐいっと一歩近づいたさっくんに対し、わたしがぐいっと一歩下がる。少しさみしそうな顔をするさっくんだけど、それはごめん、さっくんを守るためだから。
『お味噌汁とおにぎり、食べます？』
「うわー！ごちそうじゃん！いただくぅー！」
椅子に座るとしっかりと手を合わせる。
「いただきますっ」
その丁寧な所作に、きっとちゃんとしてるんだ、この人。と、思う。
そういえば、昨日の家に入る時も勢いよく入ってきたくせに、ちゃんと靴を並べてたんだよな。
『んふふ。』
「え、何？！なんの笑い？」
『いや、なんでもっ』
思わず声を出して笑っちゃってた。
「思い出し笑いとか、あ！やっぱり俺なんかやったんじゃないの？！」
『いや！やってないですって』
「変だったら言ってね？」
『いや、だから変じゃ「俺さ」
『？』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 182人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：rinao | 作成日時：2024年1月19日 5時
