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楽しい同期忘年会を終えて、解散の時間になり、立ってみたら思った以上にベロベロだった麗ちゃんはふっかとタクシーに乗ってもらう。
ひとりで大丈夫？って何回も聞かれたけど、20分歩くくらいが丁度いいし、この辺明るいし。
入社時からまだ今も女の子みたいに扱ってくれるふっかに感謝感謝。
『コンビニでケーキとワイン買ってやったぜ』
明日一日二日酔いで潰れたってまだあと3日も休みがあって。
唯一、年末に生まれて良かった、と思える。
気づけば15分位は歩いていて、だんだんと家が近づいてきた。
森のような木々が生い茂った門。多分、中に人が住む建物があるなんて想像できないと思う。
木々を抜けると、レンガできれいに舗装された道。季節のお花。そして、古い洋館のような味のあるアパートが出現する。
ここがわたしの住む、
Maison 雪坂＊。
昔、なんかお屋敷だったって聞いたような気もする。この古いけど、どこか品のある見た目が気に入っている。
これで、なんと家賃5万！光熱費込み。
ちなみに、幽霊とかそのへんの類は見たことがないから、多分…大丈夫、なはず。
ガタン
『…へ』
割と大きな物音に肩がビクッと上がる。
いや、今幽霊はいないって言ったけど。
恐る恐る腕時計を見る。
『…２時。』
家はすぐそこなんだから、頑張れA！
「え、人？」
『っうわぁ！』
ドドン！ドサッ！
カランカラン…
「え、大丈夫？！」
『ったあ…』
痛すぎて声にならないし、ものすごいでっかい声出して、
股広げて尻もちついたのが恥ずかしすぎて
顔もあげられない…。
「え、ワイン割れてるっ！怪我ない？！」
『…だ、大丈夫です』
「なら良かった…、ワインの他、あ？ケーキ？お祝い？」
『あ…ま、まあ』
痛い身体を我慢してなんとか立ち上がる。
あんまり明るくない外灯と月明かりだけだから、あんまり顔は見えない。
「一応、聞くけど、ここの人だよね？」
『あ、はい。102の姫野Aです。あ、引っ越してきた人ですか？』
「あ、うん。」
『こんな夜中に。大変ですね。』
「仕事の関係で。あんまり昼間に移動出来なくて。」
『へぇぇ』
そんな仕事もあるんだなあー。
そう思いつつ、別に疑問を持つほどでもない。
『今、住人わたししかいないので、何かあれば言ってください。じゃ。』
「ありがとう〜おやすみー」
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作者名：rinao | 作成日時：2024年1月19日 5時
