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「やっぱA最近なんかあるでしょ？」
撮影に使った風船を割りながら急な質問をしてくるふっかにちょっとドキッとする。
『え？』
「同期なめんなっ、なんかやっぱりいつもと違う。パーっと飲んでもいいし、ドライブとかでも気晴らしになるならするし。」
『いや、
ふっか、免許ないじゃん』
「麗ちゃんの車で！！！」
カッコつけたかったんだよーと、困り顔のふっかが面白くて、すごいいいヤツだ。
『そだね、じゃあ今度「あの、姫野さん、でしたっけ」
撮影が終了して、いらないセットの解体が始まっている中で、スタジオに現れた阿部さんにびっくりする。
「あ、阿部亮平です、さきほどはありがとうございました。」
「阿部さんどうされました？」
周りの人を確認するためにキョロキョロするわたしの異変に気づいてか、すかさずふっかが対応する。
『阿部さん、こんにちは…』
一応周りにふっかしかいないことを確認したので、できる限りの距離を置いて返答する。
「この間は…ごめんなさい。」
『あ、えと、こちらこそすみませんでした、絶対に事情があるはずなのに、大人気なかったし、本当に…』
「いえ。あれは俺が」
「いやちょっと待ってーい！！！」
向かいあわせで謝りあう私たちの間に手を振りかざしてふっかが間に入ってくる。
「なんかわからんけどとりあえず！別室で。阿部さん、俺も入ってよいですか？誰かに誤解されたらまずいですし。」
「すみません、お気遣いありがとうございます。」
小さめの控室に移動して扉を閉めた。
「本当にその節は」
『いや、こっちが』
「ちょちょ、ずっと謝罪が続くのも難なので、話を整理して、姫野が悪かったらみんなで謝罪しますので。」
『ふっか‥』
うまいこと間に入ってくれて、とことん仕事ができる、いや、とても頼りになる人だ。
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作者名：rinao | 作成日時：2024年1月19日 5時
