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3 阿部 亮平さん
検索結果→緑 インテリ 気象予報士 あざと可愛い
え、アイドルなのに気象予報士の資格も持ってるんだ、すごいな。この人。事務所で構成をまとめている時、最初にプロフィールを見たのが阿部さんだった。
いや！だめだそっちの阿部さんじゃない！と、
自分の知る阿部さんと、この阿部さんを同化させようとする頭を修正するのが大変だった。
そんな阿部さんにはふわふわなワンピース調のルームウェアをチョイスする。
女性だけがワンピースを着る時代は終わったと思う。可愛いものが好きな人はどんな性別だろうと関係なく可愛いを追求できる。それがBreathの新しいコンセプトだ。
しかし、実際は阿部さんがとんでもなく嫌がっていたらどうしよう、と不安があった。
だから阿部さんに関しては撮影中、自分が手直しすることを申し出ていた。
「阿部さん入ります」
風船とファーを並べていた私に声がかかり、足音が聞こえてくる。
「すみません、遅くなりました。」
ちょっと着るの手こずりましたー。と、明るい声で入ってきた阿部さん。良かった、割と良い反応っぽい。
『今日はよろ…！！』
振り返って挨拶をしようとした。
え？！
阿部さん？！
「え」
『あ、よ、よろしくお願いします。
では、この真ん中に立っていただいて。』
「あ…はい、」
『ちょっと襟直しますね。…触れます、すみません。』
「はい」
『じゃあ、このクッションもっていただいて。あ、角度はこう、で、はい。よろしくお願いします！』
え、え、え、
ちょっと待って？！阿部さんだよね？！
動揺しすぎて、逆にかなり冷静な自分がいる。
阿部さんも多分気づいてる？よね？
でも、仕事中だし、知り合いみたいな感じになって、万が一誰かに会話を聞かれて変なとらえられ方をしたらかなり迷惑がかかる。それだけは避けたい。
頭の中はぐるぐるしているけど、外から見たわたしは正常に見えているのだろうか。
「A。このカットだけど、上から下だよね。」
『そう、上目遣いのほうがグッと来るって高梨さんからは聞いてたよ』
「さすが高梨さんっ。」
どうやらふっかには正常に見えているみたい。
『すご…』
端正な顔立ちにキラキラした表情。
うちで喋った時とは何もかも違う。
もはや別人格、あ、双子の線もある？
『いやないかー』
「なにが？」
『なにも』
「独り言怖いよ」
『え、ごめん』
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作者名：rinao | 作成日時：2024年1月19日 5時
