余命宣告20日目 ページ20
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インターホン越しに聞こえるAの苦しそうな声。俺は丁度帰ってきた人に便乗してエントランスへと入った。エレベーターは最上階から降りてきている真っ最中だった。
待っている余裕はない。持ち前の体力を活かし、俺は二十階まで階段を駆け上がった。案の定Aの部屋には鍵が掛かっている。個性でドアを打ち破り、土足で中へ入る。
廊下の突き当たりの扉を開ける。そこには苦しそうに床で腹を抱えて倒れているAの姿。俺が駆け寄ると、Aは俺の名を呼び気を失った。
Aの横には処方薬と袋に書かれた薬局名。この薬局が隣接されている病院に心当たりがある。ひとまず救急車。俺は119番へ通報した。
それからかかりつけの病院へ運んでもらい、主治医に見てもらった。彼は症状が出たんですね。なんて呑気に言って点滴の準備を始めた。
「症状ってなんですか？」
「それは……」
そう言って少々吃る医者。
「言えねぇのか？俺が病院まで運んだんだぞ。あぁ？」
「彼女は膵臓癌だ！」
詰めてみるとあっさりと白状した。膵臓癌。そう聞いて一瞬頭が真っ白になった。ニュースでは1度もAtomが膵臓癌だとは流れていなかった。
「彼女の意向で公表しないことになっている。」
「ンだよそれ……」
詳しく聞くところによると、膵臓癌は膵臓癌でもステージ4の末期じゃないか。俺はさらに二年前を悔やんだ。あの時別れなければ、今だって傍にいて支えられたのではないか。
そんなことを考えてももう後戻り出来ない。もう遅いとは分かっている。分かっていても、自分を責めること以外何も出来ない。そんな自分がさらに悔しい。そして恥ずかしい。
大切なものは失ってから改めてその大きさに気付く。とはよく言ったものだ。今正に俺はAの大切さに改めて気付かされたのだ。
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Nao(プロフ) - 珊瑚さん» ありがとうございます！期待を超えるくらい泣かしてみせますね笑 (2020年1月21日 9時) (
レス) id: 9cbd37a4c4 (このIDを非表示/違反報告)
珊瑚(プロフ) - うわ〜。これはいい小説な予感がします。最終回で泣いてしまうかも、更新待っています。 (2020年1月20日 23時) (レス) id: 75cba6923f (このIDを非表示/違反報告)
Nao(プロフ) - kagamikoto08さん» そうなんです！！爆豪が元カレでここから色々展開させていく予定なので楽しんでみて貰えたら嬉しいです！ (2020年1月18日 10時) (レス) id: 9cbd37a4c4 (このIDを非表示/違反報告)
kagamikoto08(プロフ) - 余命宣告悲しいけど、１３日目にして爆豪が元彼って驚きました！ (2020年1月18日 10時) (レス) id: cbbf42e28b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Nao | 作成日時：2020年1月15日 22時
