Anniversary.2 ページ2
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「ありがとうございました。」
「またなにかあれば直ぐに来てください。」
次の日の朝、俺はAを迎えに行った。日に日に痩せていくAは見てて居た堪れない。この一晩、俺は色んなことを考えた。もし、もしAが居なくなったら？
俺はAに8年間も想いを寄せていた。初恋は叶わないと言うが、それは本当で一度は失恋した。Aを諦めるタイミングを失って気付くと8年。
「想い続けるってのもいいもんだな。」
「なんか言った？」
「あ？何でもねぇ。」
この手は離さねぇ。Aと繋いでいた手を改めて握り直す。その手はとても暖かくて、とても心地よいものだった。あぁ。やっぱり好きだ。離れたくねぇな。
この人を喪ったら俺はどうなるんだろう。この人以上に愛せる人と巡り会うことは出来るのだろうか。
そんな事を考えながら俺達は帰路に着いた。
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焦凍くんには言っていなかったが、昨日の晩、先生から告げられた。“あなたはいつ死んでもおかしくない。”私の主治医はことごとく無慈悲な人だと改めて思う。
でも逆に言えば、先生だからこそ無慈悲にならなければ行けない。患者の死を見送るのだから、死ぬ事に悲しんだってキリがない。それはヒーローも同じで。人質が死ぬ事もざらにある。
こんなことを言うのは酷だが、人質が死に自己嫌悪になり、追い詰められて精神科へ通うヒーローもかなり居る。だから私は悔やみはするが、それ程気にしないようにしている。
なんて言ったら本当に血も涙もない人だなんて思われるのだろうか。焦凍くんにも軽蔑されるのだろうか。
それは嫌だな。
死にたくないな。
日に日に増えていく生きたいという願望。
どうすればいいの？
全身転移した癌細胞は日々私の体を蝕んで
再起不能にしていく。
この体に流れる血が止まるのはいつ？
今はまだ焦凍くんの脈打つ鼓動を聞いていたい。
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Nao(プロフ) - 桧さん» 素直な感想ありがとうございます！思わず笑っちゃいました笑 (2021年9月13日 22時) (
レス) id: 5e22ad68da (このIDを非表示/違反報告)
桧 - 好きです。 (2021年9月11日 14時) (レス) id: f7e0d06981 (このIDを非表示/違反報告)
Nao(プロフ) - シュラスさん» ありがとうございます！！嬉しいです！ (2020年2月9日 15時) (レス) id: 9cbd37a4c4 (このIDを非表示/違反報告)
シュラス - とても良い小説でした！もっと書いて欲しいです!！他の小説も、勿論読みます！ (2020年2月9日 14時) (レス) id: 7e1b00660a (このIDを非表示/違反報告)
Nao(プロフ) - ももさん» 夢主ちゃんとの子供ですよー！細胞を冷凍保存していたので、それを解凍して人工授精させて、代理出産と言う医療法が実際にあるんです。それを使わせていただきました。 (2020年2月1日 10時) (レス) id: 9cbd37a4c4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Nao | 作成日時：2020年1月21日 23時
