三平、てめぇマジでそろそろ良い加減にしろよ。【刀剣乱舞】

57☆夢主視点☆ ページ26

貴方「え…あ、」


腹を押さえながら血を吐き続ける寿を目の前にして、Aは全く動くことが出来なかった。

頭が真っ白になって、何が起こっているのか分からない。
足は床に吸い付いているかのように動かず、Aは上ずった声で助けを求めた。


貴方「だ…誰か、誰か!!!早く来て！誰かっ!!!」


しばらく叫んでいると、廊下の曲がり角から御手杵がひょっこりと顔を出した。


御手杵「どうしたぁ〜？」


呑気な声を掛ける御手杵だったが、寿の様子を見ると顔を真っ青にさせてA達の方に駆け寄った。


御手杵「…お、おい！何があった!?」

貴方「分かんない、いきなりなんか吐き始めて…」

御手杵「と、とりあえず、薬研呼んでくる！」


やげーん！と只ならぬ様子で廊下を駆けて行く御手杵に、他の奴らも廊下にやって来る。
寿を目にした太刀や打刀は愕然とし、短刀達は小動物のように目を潤ませて手で顔を覆っていた。


薬研『おい、どうした！』


寿の薬研が、他の男士を押し退けながらやって来た。


貴方「やっと来た…！」

薬研『一体誰が…って、大将!?』


寿の薬研が床に広がっている血だまりをマジマジと見つめていると、この薬研が来た方とは反対方向の廊下から東の薬研が駆けて来た。
手には救急箱が抱えられている。


薬研「旦那！…血がどうとか聞こえたが、怪我じゃなさそうか。じゃあこんなもの役に立たねえな」

薬研『いや、ガーゼとピンセットくれ。血の状態を見たい。あと、誰かお師匠さん呼んで来い』


薬研の指示に、数人の刀剣男士達が審神者を大声で呼びながら、蜘蛛の子を散らす様に廊下を走って行った。


薬研「旦那！寿の旦那！聞こえるか！…一応意識はあるな」

薬研『黒っぽくて気泡は無し。胃からか』


薬研達は冷静に寿の状態を観察する。二人が落ち着いてくれているおかげか、Aも刀剣男士達もパニックにはなっていないようだ。


審神者「寿！」


審神者がやっと到着した。
寿を見るなり、審神者はうずくまったままの寿の背中をさする。
泣いていたのだろうか。審神者の目は少し赤くなっていた。
薬研は血に汚れたガーゼをビニール袋に入れながら言った。


薬研「大将。旦那は多分、胃潰瘍か胃癌のあたりだ」

審神者「え…」

薬研『とにかく、どっちにしろこの量はまずいぞ。俺達の手には負えん。すぐ医者に連れて行け』


審神者は不安そうな顔をしながらも、深く頷いた。




〜追記〜

テスト週間です ちぬ

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