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審神者「あー、一本ずつ斬るの面倒だなぁ。全部一気にいっちゃおっか」
こん「…うぅ」
こんのすけは覚悟して目をぎゅっと瞑った。
が。
審神者はこんのすけを脇に挟んで前脚を掴むと、何やら指先でこんのすけの脚先を弄り始める。
きょとんとする一同の目の前で、審神者はこんのすけの脚先の毛を、包丁で引くようにして斬り取った。
貴方「…は?」
審神者「はい。きっちり四本頂いたよ」
審神者は指先に付いた毛を、指先を擦り合わせて地面に落とす。
そう。審神者が言っていたのはこんのすけの脚ではなく、毛のことだったのだ。
こんのすけは逆さまにぶら下がったまま、懸命に抗議する。
こん「なっ…だ、騙しましたね!」
審神者「人聞き悪いよー。誰も脚斬り取るなんてえげつないこと言ってないじゃん。ここ、って言っただけ」
あまりにつまらない冗談に拍子抜けする全員。
審神者は続ける。
審神者「やっぱり政府の狐だね。今回の件も、こういう勘違いが原因なんだよ。まあいいや。何度もはぐらかされてたけど、やっとはっきりしたね。政府が何も知らないって」
こん「…」
黙り込むこんのすけに、審神者は言った。
審神者「と言うわけで、寿の処分の話は全部ナシね。文句があるなら政府に報告すると良いんじゃない?私共が何も知らなかったために、ってね」
寿はどのような感情からか、地面に震える手を置いたまま俯いている。
審神者がこんのすけの尻尾を急に離すと、こんのすけはそのまま地面に背中を打ち付けた。
こん「っ…!」
審神者はこんのすけに背を向け、いつものふんわりとした笑顔を見せて言う。
審神者「さて、夕餉の続きにしようか。あ、日本号、やっぱりあの酒樽開けて良いよ。またみんな揃ってご飯食べれるから、お祝いってことで。歌仙、追加の料理頼むね」
こんのすけは審神者の顔を見ると、溜息をついて言った。
こん「…分かりました。時々様子を見させて頂きますが、寿殿の件に関しては目を瞑りましょう」
そしてこんのすけは、門の方へふらふらとした足取りで歩いて行った。
太鼓鐘『一件落着、ってとこか?』
燭台切『そうみたいだね。でもとりあえず僕、お風呂入りたいなぁ…結構汗かいちゃったよ』
大倶利『風呂、入るか』
鶴丸『ほら主、立て!さっさと風呂で汗流して宴会するぞ!』
何だかんだで、また同じ日常が見られそうである。
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りなほ@受験生(プロフ) - ありがとうございます(`・ω・´)私自身青江クラスタなのでそう言って頂けるとホントウレシィ… (2016年12月18日 0時) (レス) id: 762ecccfb8 (このIDを非表示/違反報告)
腐り始めた豆腐 - ↓青一江じゃないです。アオーエです。 (2016年12月17日 20時) (レス) id: 20ecaa2ed9 (このIDを非表示/違反報告)
腐り始めた豆腐 - もう……本当にこの小説大好きです(笑)寿も東も夢主も大好きだぁー!!東の本丸の青ー江が好きすぎる。更新楽しみにしてます! (2016年12月17日 20時) (レス) id: 20ecaa2ed9 (このIDを非表示/違反報告)
りなほ@多忙(プロフ) - この話は割と寿中心なのです( ˇωˇ )トラブルメーカーェ…グラサンは大爆笑でした (2016年11月1日 23時) (レス) id: 762ecccfb8 (このIDを非表示/違反報告)
白鶴(仮)@プリンは犠牲になったのだ - 寿…お馬鹿さんですか、お前は…… グラサンwwそういやそうだったwwwww (2016年10月31日 14時) (レス) id: 064ce5e387 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:そると | 作者ホームページ:
作成日時:2016年9月19日 21時