よぉ三平、また会ったな。【刀剣乱舞】

短編:薬研的色々理論。�� ページ11

試着室のカーテンを開けると、待ち構えていた薬研は顎に手を当てながら頷いた。


薬研「お、似合うな」


薬研の顔は、やっぱり俺っちの選択は間違っていなかったな、と言うように満足気である。

が、一方Aは。


貴方「…いや似合ってたまるか!!!!」


めっちゃくちゃ不満気だった。


感情は不満を通り越して怒りに変わりつつある。
Aの着ている黒いTシャツのど真ん中には白く『漢』と書かれており、背中側にはカラフルな漁船が陣取っているのだ。
それが似合う奴なんてこの世にいるのだろうか？


薬研「？何でだ？服が似合うってのは良い事じゃねーか」

貴方「そうだけど違う！これに限っては違う!!!」

薬研「この背中の跳ねてる鯛とか良いだろ、躍動感が」

貴方「話聞け！」


こいつのセンスはおかしい。
絶対におかしい。
薬研が鯛好きだということは分かるが、やはり把握は出来ても理解は出来ない。


薬研「でも俺っちは気に入ったぜこれ。違うサイズ探してくる」


自分用に買おうとしているらしい薬研に引きながらも、とりあえずAは普段着に手早く着替えて試着室から出た。
そして、しばらくして何故か先程とは違う服を持ってくる薬研。


薬研「中々良いモン見付けたぜ。これ誰かへの土産にしねえか？」


案の定それも物凄いデザインのものだった。
蛍光イエローと蛍光ピンクの柄Tシャツ。
色違いなのだろうか？ウ○コの柄が同じ所に配置されている。


貴方「…どのへんが良いのこれ？」

薬研「蛍光色に茶色いウ○コって中々ねぇ組み合わせだろ？この奇抜なデザインに惚れた。誰にやろうか」


もう訳が分からない。


貴方「…もう勝手に贈ればぁ？殴られても知らないよ」

薬研「よし、じゃあ会計してくっか」


薬研は嬉々とした表情をしている。本当に分からない奴だ。
すると、薬研があっと声を上げた。


寿「あれ？藤四郎とAじゃねーか。よお」


会計の番をしているのは、寿だった。


薬研「丁度良いな、寿の旦那。これ良いと思わねーか？Aは否定すっけど」

寿「え…コレ？あ、ああ、ペアルックか！良いな！イカしてると思うぜ！」


寿は困り顔の上に営業スマイルを貼り付け、なんとか答える。
その時薬研は、何かを思い付いたように口元を緩めた。




後日。




本丸では、ゲンナリした顔で蛍光色Tシャツ(ウ○コ柄)を着るW審神者が見られたそう。





〜追記〜

ダサくても着てあげるのがふたりの優しさなんだよきっと。
あと文章雑。

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