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Aと太鼓鐘は息を切らしながら、工事現場に到着した。
太鼓鐘『おーい!!!みっちゃーん!!!』
ちらりと見えた燭台切らしき背中に向かって太鼓鐘が叫ぶ。
やはりそれは燭台切だったようで、くるりとこちらを向くと笑顔を見せて近付いてきた。
燭台切『やあ、二人とも。何か用かな?』
太鼓鐘『早く!他の奴らも連れて早く逃げろ!時間遡行軍がこっち来る!」
燭台切『えっ?』
貴方「詳しい話は後!急げ!早く!」
燭台切『ええっ!?』
動揺しながらも燭台切は被っていたヘルメットをその場に投げ捨て、走りながら工事現場の奥へ向かって叫ぶ。
ちらりと後ろを気にしつつ燭台切の背中を見送る二人の額には、暑さなのか焦りなのか、かなりの量の汗が滲んでいた。
寿「ちょっ…!」
燭台切『皆!こっち!早く!』
鶴丸『おい!?だからどういうことだ!』
大倶利『一体何なんだ…』
しばらく経ち、燭台切が鶴丸、大倶利伽羅、寿を連れてきたところで、後ろを振り返った太鼓鐘とAの背筋が凍り付いた。
遠くに見える時間遡行軍。
太鼓鐘『ほ、ほらっ、あれだよあれ!』
鶴丸『!?何でここに…?』
太鼓鐘の指差す先を見た四人は顔を真っ青にして、先程の太鼓鐘とAのように、時間遡行軍とは反対方向に駆け出した。
少し走ったところで、どこからか大きな声が聞こえて来る。
「おい、お前ら!仕事放っぽり出してどこ行きやがる!!!?」
寿「うわ、親方めっちゃ怒ってる」
鶴丸『あの人には悪いが、今はそれどころじゃないんでな…!』
どうやらこの怒号は工事現場の親方のものらしい。
後で謝っておかなければ。
無事に帰って来れたら、の話だが。
後ろを振り返って時間遡行軍の様子を伺う。
数は六、七体と言ったところか。
短刀三体の後ろに続いて三、四体の時間遡行軍がこちらを追ってくる。
時間遡行軍との距離はまだそこまで縮まっていないが、この暑さで体力はすぐ削られてしまいそうだ。早くどうにかしなければ。
燭台切『それでどうするの、これ!」
寿「そうだ、師匠に電話すれば…!」
寿はツナギの胸ポケットから携帯端末を取り出すと、素早く画面を操作して審神者に電話を掛ける。
コール音を聞きながら走り続けるA達。
しかし、審神者は中々電話に出ない。
貴方「あんのドジ…!出ろ!早く!」
痺れを切らしたAが叫んだところで、コール音が途切れた。
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りなほ@受験生(プロフ) - ありがとうございます(`・ω・´)私自身青江クラスタなのでそう言って頂けるとホントウレシィ… (2016年12月18日 0時) (レス) id: 762ecccfb8 (このIDを非表示/違反報告)
腐り始めた豆腐 - ↓青一江じゃないです。アオーエです。 (2016年12月17日 20時) (レス) id: 20ecaa2ed9 (このIDを非表示/違反報告)
腐り始めた豆腐 - もう……本当にこの小説大好きです(笑)寿も東も夢主も大好きだぁー!!東の本丸の青ー江が好きすぎる。更新楽しみにしてます! (2016年12月17日 20時) (レス) id: 20ecaa2ed9 (このIDを非表示/違反報告)
りなほ@多忙(プロフ) - この話は割と寿中心なのです( ˇωˇ )トラブルメーカーェ…グラサンは大爆笑でした (2016年11月1日 23時) (レス) id: 762ecccfb8 (このIDを非表示/違反報告)
白鶴(仮)@プリンは犠牲になったのだ - 寿…お馬鹿さんですか、お前は…… グラサンwwそういやそうだったwwwww (2016年10月31日 14時) (レス) id: 064ce5e387 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:そると | 作者ホームページ:
作成日時:2016年9月19日 21時