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動きを止めた審神者に、大和守は尋ねる。
大和守「主は寿さんのこと、ズバリどう思ってるの?」
その質問に審神者は少し悩むような素振りを見せると、一口茶を啜る。
やがて審神者はゆっくりと口を開いた。
審神者「うーん、なんだろうね。友達?…ではない気がする。師匠って呼ばれてるし、基本敬語で話されるし、すごい慕ってくれてるし」
加州「年齢差も中々だもんね。見た目年齢は主の方が若そうだけど」
審神者「それ嫌味?」
少し痛いところを突かれた審神者だが、気を取り直して続ける。
審神者「だからと言って、そんなに他人な気もしないんだよねぇ…」
湯呑みの縁を愛おしそうに指でなぞりながら、またひとつ言葉を紡ぐ。
審神者「んー、こう言うのも変だけど…僕に息子がいたら…こんな感じなのかも、って」
審神者は先程の様子とは打って変わって、安らかな表情をしている。
加州は何かを言おうとしたが、少し考えて、そっと口を閉じた。
大和守「主はまだ、前の主のこと忘れられないの?」
加州「ちょ、安定っ」
加州が慌てて大和守の口を塞ごうとするが、審神者は小さく笑って言う。
審神者「忘れた、って言ったら?」
大和守「多分、その主は偽物だから斬るかな。主は絶対あの人のこと忘れないから」
審神者「それは怖いなぁ」
ふふ、と微笑みを絶やさない審神者の目の奥には、僅かに悲しみの色が滲んでいる。
大和守は続けて尋ねた。
大和守「主は、前の主との子ども、欲しかった?」
審神者「そうだね…否定はしないよ。小さい子は好きだし…でも、」
大和守「でも?」
審神者「僕は、あの人と一緒に居れれば、それで良かったかな」
審神者の目の奥の悲しみが、じわじわと広がってくる。
加州「…」
審神者「子どもはまあ、養子縁組で貰えば良いかなって。体質の問題はどうにもならないよ」
大和守「でも今の技術なら、治療だって」
審神者「そういう治療とか、あんまりして欲しくなくってさ。結構身体に負担かかるみたいなんだよね、あれ」
大和守「…じゃあ、」
加州「安定」
続いて言おうとする大和守の声を、加州が遮った。
加州「その辺にしときなよ」
その声は低くなっている。
加州「そろそろ主も行けば?こんのすけのご機嫌取るなら今のうちだよ、ほら」
加州は審神者の肩を押して、無理やり部屋から出した。
〜追記〜
ちなみにもう本編に出てます。あの人。
さぁて勉強頑張りますかっと…暫くさよなら〜
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りなほ@受験生(プロフ) - ありがとうございます(`・ω・´)私自身青江クラスタなのでそう言って頂けるとホントウレシィ… (2016年12月18日 0時) (レス) id: 762ecccfb8 (このIDを非表示/違反報告)
腐り始めた豆腐 - ↓青一江じゃないです。アオーエです。 (2016年12月17日 20時) (レス) id: 20ecaa2ed9 (このIDを非表示/違反報告)
腐り始めた豆腐 - もう……本当にこの小説大好きです(笑)寿も東も夢主も大好きだぁー!!東の本丸の青ー江が好きすぎる。更新楽しみにしてます! (2016年12月17日 20時) (レス) id: 20ecaa2ed9 (このIDを非表示/違反報告)
りなほ@多忙(プロフ) - この話は割と寿中心なのです( ˇωˇ )トラブルメーカーェ…グラサンは大爆笑でした (2016年11月1日 23時) (レス) id: 762ecccfb8 (このIDを非表示/違反報告)
白鶴(仮)@プリンは犠牲になったのだ - 寿…お馬鹿さんですか、お前は…… グラサンwwそういやそうだったwwwww (2016年10月31日 14時) (レス) id: 064ce5e387 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:そると | 作者ホームページ:
作成日時:2016年9月19日 21時