検索窓
今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:103,187 hit

28 ページ38

動きを止めた審神者に、大和守は尋ねる。


大和守「主は寿さんのこと、ズバリどう思ってるの?」


その質問に審神者は少し悩むような素振りを見せると、一口茶を啜る。
やがて審神者はゆっくりと口を開いた。


審神者「うーん、なんだろうね。友達?…ではない気がする。師匠って呼ばれてるし、基本敬語で話されるし、すごい慕ってくれてるし」

加州「年齢差も中々だもんね。見た目年齢は主の方が若そうだけど」

審神者「それ嫌味?」


少し痛いところを突かれた審神者だが、気を取り直して続ける。


審神者「だからと言って、そんなに他人な気もしないんだよねぇ…」


湯呑みの縁を愛おしそうに指でなぞりながら、またひとつ言葉を紡ぐ。


審神者「んー、こう言うのも変だけど…僕に息子がいたら…こんな感じなのかも、って」


審神者は先程の様子とは打って変わって、安らかな表情をしている。
加州は何かを言おうとしたが、少し考えて、そっと口を閉じた。


大和守「主はまだ、前の主のこと忘れられないの?」

加州「ちょ、安定っ」


加州が慌てて大和守の口を塞ごうとするが、審神者は小さく笑って言う。


審神者「忘れた、って言ったら?」

大和守「多分、その主は偽物だから斬るかな。主は絶対あの人のこと忘れないから」

審神者「それは怖いなぁ」


ふふ、と微笑みを絶やさない審神者の目の奥には、僅かに悲しみの色が滲んでいる。
大和守は続けて尋ねた。


大和守「主は、前の主との子ども、欲しかった?」

審神者「そうだね…否定はしないよ。小さい子は好きだし…でも、」

大和守「でも?」

審神者「僕は、あの人と一緒に居れれば、それで良かったかな」


審神者の目の奥の悲しみが、じわじわと広がってくる。


加州「…」

審神者「子どもはまあ、養子縁組で貰えば良いかなって。体質の問題はどうにもならないよ」

大和守「でも今の技術なら、治療だって」

審神者「そういう治療とか、あんまりして欲しくなくってさ。結構身体に負担かかるみたいなんだよね、あれ」

大和守「…じゃあ、」

加州「安定」


続いて言おうとする大和守の声を、加州が遮った。


加州「その辺にしときなよ」


その声は低くなっている。


加州「そろそろ主も行けば?こんのすけのご機嫌取るなら今のうちだよ、ほら」


加州は審神者の肩を押して、無理やり部屋から出した。




〜追記〜


ちなみにもう本編に出てます。あの人。

さぁて勉強頑張りますかっと…暫くさよなら〜

29→←27



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (170 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
412人がお気に入り
設定タグ:刀剣乱舞 , とうらぶ , 女主   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

りなほ@受験生(プロフ) - ありがとうございます(`・ω・´)私自身青江クラスタなのでそう言って頂けるとホントウレシィ… (2016年12月18日 0時) (レス) id: 762ecccfb8 (このIDを非表示/違反報告)
腐り始めた豆腐 - ↓青一江じゃないです。アオーエです。 (2016年12月17日 20時) (レス) id: 20ecaa2ed9 (このIDを非表示/違反報告)
腐り始めた豆腐 - もう……本当にこの小説大好きです(笑)寿も東も夢主も大好きだぁー!!東の本丸の青ー江が好きすぎる。更新楽しみにしてます! (2016年12月17日 20時) (レス) id: 20ecaa2ed9 (このIDを非表示/違反報告)
りなほ@多忙(プロフ) - この話は割と寿中心なのです( ˇωˇ )トラブルメーカーェ…グラサンは大爆笑でした (2016年11月1日 23時) (レス) id: 762ecccfb8 (このIDを非表示/違反報告)
白鶴(仮)@プリンは犠牲になったのだ - 寿…お馬鹿さんですか、お前は……  グラサンwwそういやそうだったwwwww (2016年10月31日 14時) (レス) id: 064ce5e387 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:そると | 作者ホームページ:   
作成日時:2016年9月19日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。