24 ページ34
こんのすけが去ろうとすると、審神者はそれを呼び止めた。
審神者「…ねえ」
こん「はい?」
加州は、しまった、というような表情で審神者とこんのすけを交互に見る。
険しい表情をした審神者はこんのすけの前に立って、静かな声で言った。
審神者「なんかさっきからさ、僕が寿に巻き込まれたーとかとばっちり受けたーとか言ってるけど…その言い方ってどうなの?」
こん「え…お、お気に障りましたか」
審神者「関係性はあんまりないーとか逃げても無駄だーとか。僕は確かに寿の私情に巻き込まれたかもしれないし、寿の軽率な行動もあったかもしんないけどさ、それを人様に言われる筋合いは無いんだよね」
こん「あ、あの…申し訳…」
審神者「君が僕達の何を知っててそんなこと言えるのさ。僕達がどうやって会ったか知ってるの?寿がどんな苦労してここまで生きて来たか知ってるの?僕達がどれだけ仲良くしてたか知ってるの?なーんにも知らないくせに」
だんだん牙を剥き始める審神者の本性に、加州が慌ててブレーキをかける。
加州「主、ストップ!ストーップ!ここまでにしよ!ね!?ごめんこんのすけ!他の奴らに挨拶でもしといて!」
加州は審神者の背中をぐいぐいと押して、自身の部屋に押しやって襖を乱暴に閉めた。
部屋にいた大和守はぽかんとした表情で煎餅を頬張っている。
加州「主っ!何やってんの!?」
審神者「見た目で騙された!僕やっぱりあの狐やだ!」
審神者は子供の様に駄々をこね始める。
加州「監視役に余計なことするなって言ったの主じゃんか!」
審神者「だって!だってあの狐、寿が悪いみたいな言い方してくるから!」
加州「あの狐じゃなくて、こ、ん、の、す、け!主、良い加減大人になろうよ大人に!」
審神者「無理っ!絶対無理!」
大和守「はいはい、二人とも落ち着いて」
大和守は立ち上がると、二人の口にそれぞれ小ぶりの饅頭を詰め込んだ。
口をもごもごと動かす二人に、大和守は溜息混じりに言う。
大和守「監視役と何があったかは知らないけど、止めときなって」
審神者「ふぁっへ、こほうひのいるほころ、ひあれひゃっはら」
加州「ちょっ…飲み込んでから喋ってよ!」
大和守「寿さんの居る所知られたらって…まあそれは困るけどさ。主がそんなんじゃ怪しまれてもしょうがないよ」
審神者「むぐ…うん、まあね…」
その会話を襖にぴったり耳を付けて聞いていたこんのすけは、訝しげな顔をした。
412人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「刀剣乱舞」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
りなほ@受験生(プロフ) - ありがとうございます(`・ω・´)私自身青江クラスタなのでそう言って頂けるとホントウレシィ… (2016年12月18日 0時) (レス) id: 762ecccfb8 (このIDを非表示/違反報告)
腐り始めた豆腐 - ↓青一江じゃないです。アオーエです。 (2016年12月17日 20時) (レス) id: 20ecaa2ed9 (このIDを非表示/違反報告)
腐り始めた豆腐 - もう……本当にこの小説大好きです(笑)寿も東も夢主も大好きだぁー!!東の本丸の青ー江が好きすぎる。更新楽しみにしてます! (2016年12月17日 20時) (レス) id: 20ecaa2ed9 (このIDを非表示/違反報告)
りなほ@多忙(プロフ) - この話は割と寿中心なのです( ˇωˇ )トラブルメーカーェ…グラサンは大爆笑でした (2016年11月1日 23時) (レス) id: 762ecccfb8 (このIDを非表示/違反報告)
白鶴(仮)@プリンは犠牲になったのだ - 寿…お馬鹿さんですか、お前は…… グラサンwwそういやそうだったwwwww (2016年10月31日 14時) (レス) id: 064ce5e387 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:そると | 作者ホームページ:
作成日時:2016年9月19日 21時