ひと段落 ページ38
和泉守「悪かったな。同じ兼定として情けねぇ」
和泉守はAに軽く頭を下げる。
貴方「いやいや、悪いのはそっちじゃないし」
結局歌仙は駆け付けた和泉守に羽交い締めにされ、馬力で敵うはずもなく、堀川の持ってきた縄であっさり縛り上げられたのだった。
そして三条部屋から様子を見ていた小狐丸に手招きされ、今に至ったと言うわけ。
小狐丸は人間であるAに興味があるらしい。
ちなみに今、歌仙は審神者の部屋で鯰尾&骨喰と共に事情聴取されている。
小狐丸「人間というものはひたすら運が悪いのう。いや、今は刀剣女士と呼ぶべきか」
隣に座る小狐丸は、軽く包丁を一瞥しながら言った。
その隣には鳴狐もいる。
Aはつい気になって、鳴狐のお供に聞いてみた。
貴方「…何で狐さん二人いんの?」
お供狐「鳴狐と小狐丸殿は、狐の縁かお仲がよろしい故、時々こうして談笑するのですよぅ!」
鳴狐「…そうだよ」
ふーん、談笑…
まあ、鳴狐本体は笑わないような気もするが…細かいことは突っ込まないようにしておこう。
和泉守「やっぱり年寄りは頭に血が上りやすいんだよなぁ、全く」
和泉守はやれやれ、というように首を振る。
貴方「年寄りねぇ」
私から見れば全員十分年寄りなんだけど。
まあしかし話を聞くと、千年近く前に鍛刀された奴もいるらしいし、三百歳くらいの和泉守から見ればジジイなのだろう。
和泉守「特にあの土佐弁芋臭野郎。古くせえ喋り方しやがる割に口達者だから、いちいちムカつくんだよなぁ、あいつ」
とさべんいもくさやろう…陸奥守のことか。
と、和泉守が愚痴を言い始めたところで石切丸が口を挟んだ。
石切丸「こらこら、そういう言い方は良く無いよ。喧嘩するほど仲が良いって言うじゃないか」
石切丸の雰囲気はどこか審神者に似ている。
この平和ボケしてそうで、どこか抜けている感じが和泉守の高ぶるテンションを抑える。
と、突然襖が開いた。
燭台切「お邪魔するよ」
入ってきた燭台切は、いきなりだけど、と前置きして尋ねてくる。
燭台切「今日の昼餉はうどんにするんだ。普段は短刀の子達に聞くけど、今皆忙しそうだから…うどんの具、何が良い?」
「「油揚げ!」」
小狐丸とお供の狐の見事なハモりっぷりに吹き出す石切丸。
貴方「じゃあ他には…肉とか?」
Aも追加する。
燭台切は笑うと言った。
燭台切「じゃあ今日は狐肉うどんだね」
お供の狐の背中が、びくりと震えた…
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そこら辺の水溜まりの水@不味い水(プロフ) - 作品を読もうと画面を見るとグロ画像がありしょっぱなから精神を抉られた、慰謝料を寄越せ (2018年5月12日 21時) (レス) id: 30224d1d1f (このIDを非表示/違反報告)
りなほ@多忙(プロフ) - 御影さん» 包丁藤四郎!?そんな刀があるのですか…知りませんでした((((;゚Д゚))))大丈夫です、なっちまってません← (2016年9月22日 21時) (レス) id: 762ecccfb8 (このIDを非表示/違反報告)
御影 - 先日徳川美術館で見てきた包丁藤四郎を思い浮かべてしまいましたよ(^-^;一応この話自体は簡潔してるみたいだしこれから読み始めるところなので(←おい)あり得ないでしょうが包丁藤四郎になっちまってるのかなぁー、と妄想しました! (2016年9月22日 17時) (レス) id: a473325dfe (このIDを非表示/違反報告)
アヤミ(プロフ) - りなほ@多忙さん» なにこの会話!!めちゃ入りたかった!! (2016年2月9日 19時) (レス) id: dcc37d5cfe (このIDを非表示/違反報告)
りなほ@多忙(プロフ) - 綺羅さん» …続きはメールでしましょうねー (2016年2月6日 7時) (レス) id: a309352d54 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りなほ | 作者ホームページ:
作成日時:2015年10月31日 13時