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ラウンド7 ページ8

大広間の真ん中には、Aを寝かせる為の布団が敷かれていた。
一期がAを布団の上に転がして枕に頭を乗せてやると、今剣は尋ねる。


「いよいよ、ですね…だれがとどめをさすのですか?」

「本丸に一番長く居る加州が適任なのではないか?」


三日月がそう言ったが、加州は首を横に振る。


「いや、この人新しい審神者でしょ。新参も古参も関係ないって」

「なら、どなたがやるというのです?」

「…では、私にやらせて頂けませんか」


一期は、そっと手を挙げた。
皆が呆気にとられた様に一期の方を見る。
普段は自己主張をしない彼がここで名乗り出るとは、誰も思っていなかったのである。


「私が、やらなければならない気がするのです。ですからどうか」

「良いんじゃない?こんなの誰もやりたがらないし。良いよね?」


加州の声に、皆は一斉に頷いた。


「ありがとうございます。では…」


一期は立ち上がってAのすぐ側まで近付き、すらり、と腰に携えていた太刀を鞘から抜いた。
鋭く光る刃を見つめ、深く息を吐きながらAの左胸に狙いを定める。


「…皆さん、よろしいですか」

「ああ。やれ」


獅子王の声に、一期はAの心臓めがけて太刀を突き立てた。
心臓と共に全身への血液の供給は止まり、徐々に身体中の細胞が死に絶え、命は消える。
一期は太刀を引き抜き、目を閉じてその時を待った。



が。



「…おや?」


いつまで経っても、肉体が刀に戻らないのである。
他の刀剣男士達もそれに気付いたのか、何か口々に呟きながら辺りを見渡している。
岩融は顎に手を当てながら言った。


「狙いが外れたか。そのような長い刀身では刺し辛かろう。首を落とすのが早い」


狙いを外した?
そんなはずはない。
刀剣で肉を裂く感覚が、この手には確かにあった。
滲む血の赤色が、この目には確かに映った。

しかしAは全くの無傷で相変わらず眠っている。
不覚にも否定は出来ない。


一期「…申し訳ありません。次は、確実にいきます」


気を取り直して、一期はAの首元に太刀を添えた。
包丁で野菜を切る様に、すっと刃を首に入れる。
その刃が床に当たる感触がした。


完全に、胴体と首は切断された。





一期が太刀をそっと上に上げた時、己の目に映ったのはその目を疑ってしまう様な光景だった。




〜追記〜

テスト終わりました〜数学赤点確定ですな(^ω^ 三 ^ω^)

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設定タグ:刀剣乱舞 , とうらぶ , 女審神者   
作品ジャンル:アニメ
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そると(プロフ) - ナツカさん» 一応この物語は完結したら少しいじってpixivの方にも載せたいと思っております!最後になってしまいましたが、これからも楽しく、張り切って書かせて頂きますのでよろしくお願いします♪ (2017年10月8日 23時) (レス) id: 762ecccfb8 (このIDを非表示/違反報告)
そると(プロフ) - ナツカさん» うわああああこんなに褒めて頂けるとは…(´ノω;`)ウレシイ…!!!大体の結末は考えていますが、自分は気分屋なので今とはガラッと変わるかもしれませんね( ˇωˇ )あと現在はもう受験を終えて高校一年生やってます…紛らわしくて申し訳ありません(汗)→ (2017年10月8日 23時) (レス) id: 762ecccfb8 (このIDを非表示/違反報告)
ナツカ(プロフ) - 長文、大変上からの無礼な感想誠に失礼いたしました。ただ、是非完結まで追いたいです。占ツクをやって3年近くたちますが、1番と言っていい程楽しめる作品です。勉強との両立、大変だと思われますが、ご自愛のもと、どうかこの素晴らしい作品を書き上げてください!!! (2017年10月8日 22時) (レス) id: 0606ce557e (このIDを非表示/違反報告)
ナツカ(プロフ) - 先が読めなくて、主人公と刀剣がどう和解するのか、はたまたバッドエンドなのか、予想がつかず妄想が膨らみ大変ワクワクします。本当に、もっと評価されるべきです、何故HIT数がこんなに少ない……! 正直占ツクよりも、pixivなど年齢層の高い場所で受ける作品かもです (2017年10月8日 22時) (レス) id: 0606ce557e (このIDを非表示/違反報告)
ナツカ(プロフ) - ギャグも、キャラをよく理解しかつ自分の中でキャラを動かせてるのだと思います。違和感なく楽しめます。受験生ということでしたが、高校3年生ですか? その年でここまで書けるのは、脱帽、尊敬に尽きます。結末までの構想は練ってあるのですか? 続きが気になります (2017年10月8日 22時) (レス) id: 0606ce557e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:そると | 作者ホームページ:   
作成日時:2017年5月6日 18時

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