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ラウンド1☆夢主視点☆ ページ2

Aは、跳ねるように縁側から庭へ、そして門へと駆けていく珍妙な柄の生き物を見届ける。

一応あれでも政府からの使い…らしい。
自らを「クダギツネのこんのすけ」と名乗る狐。十八年生きているがあんなに興味深い生き物初めて見た。


いや。興味深いなんて、初っ端から少し格好付け過ぎた。


訂正しよう。かわいい。


自宅にアレが迎えに来た時は、政府の使いだなんて知らずについ抱き付いてしまった。


あんな毛並み見せ付けるのが悪い。
一応女子だもん。
ふわふわしたやつ好きだもん。



でも、しゃべる。



抱き付いてみたら「離して下さい、A殿!」なんて言われたんだぞ。
狐に。
驚きのあまり壁に叩きつけるところだったが、それでも寸前で我に返った自分を褒めて欲しいくらいだ。


「さて…」


とりあえず今日からこの本丸なる場所で、刀剣男士とか言う奴らとの生活がはじまる。らしい。
正直、詳しい話はあまり聞いていない。
しかし何事に関しても、きっと大丈夫だと思って突き進めば良いのだ。ポジティブシンキングも大事なのである。

くるりとつま先を使って、上機嫌に後ろを向く。
すると、ひとつの影が半開きの襖の向こうに消えるのが見えた。


「…ん?」


襖からちらちらと覗いている、ロープをぎゅっと握った三、四人の子どもたち。
子どもたちはこちらには見えていないと思っているのだろうか。天井のロープには金ダライが繋がっている。

まあ、アレだ。ロープ離すと頭にタライがガンッて落ちてくる古典的な悪戯だ。

目を輝かせながらこちらの様子を伺うその子どもたちの姿は、あまりに愛らしかった。


これが刀剣男士か!


Aはそう気付いた。
色々あって、刀剣と聞くと悪寒が走ってしまうくらい刀は嫌いだけど…これは本当に刀?可愛い。可愛すぎる。これは引っかかってやらねば。


そんな謎の使命感を胸に、気付かないフリをしながら金ダライの下へ歩く。


金ダライは、見事脳天に直撃した。


こうなる前に誰か教えてほしかった。
…いや、自分で気付くべきだった。

ロープを数人がかりでしっかりと握っていたことに。

天井のフックがやけに新しく、丈夫な作りであることに。






金ダライの中に、大量の漬物石が仕込まれていることに。






あれー…なんでだぁ…?

そんなことを思いながら、Aは意識を手放した。

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設定タグ:刀剣乱舞 , とうらぶ , 女審神者   
作品ジャンル:アニメ
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そると(プロフ) - ナツカさん» 一応この物語は完結したら少しいじってpixivの方にも載せたいと思っております!最後になってしまいましたが、これからも楽しく、張り切って書かせて頂きますのでよろしくお願いします♪ (2017年10月8日 23時) (レス) id: 762ecccfb8 (このIDを非表示/違反報告)
そると(プロフ) - ナツカさん» うわああああこんなに褒めて頂けるとは…(´ノω;`)ウレシイ…!!!大体の結末は考えていますが、自分は気分屋なので今とはガラッと変わるかもしれませんね( ˇωˇ )あと現在はもう受験を終えて高校一年生やってます…紛らわしくて申し訳ありません(汗)→ (2017年10月8日 23時) (レス) id: 762ecccfb8 (このIDを非表示/違反報告)
ナツカ(プロフ) - 長文、大変上からの無礼な感想誠に失礼いたしました。ただ、是非完結まで追いたいです。占ツクをやって3年近くたちますが、1番と言っていい程楽しめる作品です。勉強との両立、大変だと思われますが、ご自愛のもと、どうかこの素晴らしい作品を書き上げてください!!! (2017年10月8日 22時) (レス) id: 0606ce557e (このIDを非表示/違反報告)
ナツカ(プロフ) - 先が読めなくて、主人公と刀剣がどう和解するのか、はたまたバッドエンドなのか、予想がつかず妄想が膨らみ大変ワクワクします。本当に、もっと評価されるべきです、何故HIT数がこんなに少ない……! 正直占ツクよりも、pixivなど年齢層の高い場所で受ける作品かもです (2017年10月8日 22時) (レス) id: 0606ce557e (このIDを非表示/違反報告)
ナツカ(プロフ) - ギャグも、キャラをよく理解しかつ自分の中でキャラを動かせてるのだと思います。違和感なく楽しめます。受験生ということでしたが、高校3年生ですか? その年でここまで書けるのは、脱帽、尊敬に尽きます。結末までの構想は練ってあるのですか? 続きが気になります (2017年10月8日 22時) (レス) id: 0606ce557e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:そると | 作者ホームページ:   
作成日時:2017年5月6日 18時

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