第八話 浪費 ページ10
「伏黒元気そうじゃん!」
「
「元気じゃないのか……、……あ!俺 虎杖悠仁!同い年?宜しく!」
『僕は花厳愛。うん、同い年だよ。特に宜しくするつもりは無いけど』
「エッまだ怒ってんの!?何で!?」
「指喰ったからだろ」
如何にも、というタイプでやはり仲良くはしたくない。
けど、同学年は少ないんだから仲良くしなさいと五条先生に怒られた。
「オマエはこれから俺らと同じ、呪術師の学校に転入するんだ」
『あわよくば学長の意趣に合わずに入学拒否宣告受けてくれ!』
「だから何で俺は最初から嫌われてんのって!」
◑
_高専到着後
虎杖と五条先生は学長との面談へ、恵くんは家入さんの治療を受けて自室でぐっすり眠った。
僕も、特に予定がなかった為、自室で休養を取るように言い渡される。
『……よし、コンビニ行こ』
早速 自室での休養命令を無視したとかは指摘しないでほしい。てか命令じゃないし。推奨されただけだし。
そもそも、部屋でじっとしているというのが性にあわないのだ。
花厳家の別家で過ごしていた頃は、書庫に籠って勉強とか読書とか、あとは書道、華道、弓道なんかを無理矢理趣味にさせられていたけれど。
高専に入ってからの僕の趣味は、コンビニやスーパーで安価な商品を爆買いすることだった。
何かが欲しいからと言うよりかは ストレス発散が目的なんだけれど、賭け事に入り浸るよりかは余程マシな趣味だと思う。買ったものだって全部自分で処理するわけじゃないし。
「いらっしゃいませー」
高専から少し歩いたところにあるコンビニに到着。
店員の熟れた接客を通り過ぎる。
平日の昼間ということもあり、店内の客はかなり少なかった。
カゴを取り店を見て回ろうという所で、トントン、と控え目に肩を叩かれる。
「しゃけ」
『あれ、棘くん任務じゃなかった?』
ひとつ上の先輩である、狗巻棘先輩だった。
真希さんとパンダくんは見当たらないし、一人の任務だったのかな。詳細は把握していない。
もう終わらせちゃった様子なのは、流石としか言いようがないけど。
『今からお昼?僕は特に用もなく浪費タイムだけど』
「高菜」
『さすがにお金に困るほどはやってないって。何なら奢りますよ〜』
「おかか。ツナツナ」
『自分でお金使いたいのになんで僕が奢られる流れなわけ……』
強情な棘くんは、気にする様子もなくカゴをかっさらっていった。
二年で一番面倒な先輩。
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作者名:リナ | 作者ホームページ:http://uranai
作成日時:2021年2月20日 21時