独り白【呪術廻戦】【男主】 (ページ5)

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第四話　即断ページ5

『多すぎ！！馬鹿か！この量！！』

「喋ってないでさっさとやりなよ」

『じゃあお前も手伝えよ！！』

「やだ。手伝ってほしいなら従えさせたらいいでしょ？」

『だからお前なんぞに使ってやる呪力は無いってば！呪物取り込んだ呪霊が暴れるかもしんないっつのに……！！』

彼が言う通り、呪力を消費すれば朽の術式を僕が使うことは出来る。
でもそれは、最低でも一級以上を相手にする時だ。
二級術師の自分の術式だけではどうにも出来ない時。

雑魚相手にわざわざ朽を使ってたら、寧ろ朽を従えさせる呪力消費が莫大すぎてこっちが自爆する。

『つーか、マジ何処だよ呪物……！僕索敵苦手なんですけど～！恵くんもう着いてんだろ何で連絡ないわけ！？』

「そりゃあ、向こうも手こずってるんじゃない？」

『お前呪物が何処にあるか分かってんだろ！オラ吐け！吐いたら楽になるから！』

「ううん、君が俺の手のひらの上で踊らされてるの見るの、超楽しいから遠慮しておくね！」

『クソがッこんにゃろ！！』

朽に対する怒りを呪霊にぶつけるかの如く、呪霊を退治していく。

辺りにいるのは三級以下の雑魚呪霊。
特に術式を使う必要もなく、肉弾戦で動きを封じて最小限の呪力でとどめを刺す＿＿という繰り返しだった。

『……呪物だけじゃねぇな、吸い寄せられてんの』

「あぁ、やっと気がついた？」

『………仕方ない……か。朽、もど＿＿』

「あ」

強制的に朽を往なそうと手を構えた途端、朽がそれを遮る。
ニヤリ、と不快な笑みがこちらを向く。
それから何も言わずに窓ガラスの奥に顔を向ける彼。

視線が向けた先にあるのは＿＿

『！』

僕が視線を向けるとほぼ同時に。
巨大な呪霊と、それに吹っ飛ばされた恵くんが飛び出す。
どこかの壁を突き破ってきたらしい。

ここからは少し距離がある。

『まーた走らされる！！』

「頑張れ頑張れ」

『……！』

雑魚呪霊の数はかなり減った。
呪物の在処は＿＿……、恵くんが持っていると考えるべきだろう。

最短距離を走り、予測通り突き破られた壁の位置から彼の元へ辿り着く。

『恵く＿＿＿、……ッ！？』

いつの間にか、恵くんを吹っ飛ばしていた大型呪霊は跡形もなく拉げていた。

それ、だけじゃない。

『……恵くん』

「！」

『呪物は？』

「虎杖＿＿………そいつが、………食った」

肌に模様が刻まれた、例のパーカー少年が両手を上げたままこちらを向いた。

『了解。……＿＿＿＿消すね』