独り白【呪術廻戦】【男主】 (ページ30)

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第二十七話　嘲罵ページ30

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それから数日間。

交流会に向けて、二年の先輩たちから扱かれる日々が続いた。

野薔薇はパンダくんに追いかけ回され放り投げられ、恵くんは真希さんに武器の扱いを教わりつつ滅多打ちにされ、僕はひたすら棘くんと鬼ごっこをする、というハードな訓練。

鬼ごっこに関しては足の速い棘くんが相手のため、僕が逃げる側だと直ぐに終わってしまうという理由により僕が鬼側なのだが……、それはそれで全く終わらない。今のところ一度も勝てていない。

とはいえ、どの訓練も実践に役立つ効果的な内容だとは思う。
それぞれの弱点を補うためのものだし、僕ら一年は圧倒的に近接戦が弱い。

僕は呪具もそれなりに使うけど……どちらかというと境界伸張に頼ってしまいがちだし。

『あっっっつい！！』

そして、今はその訓練の休憩時間。
真希さんから飲み物を買ってくるようガッツリパシられたところだった。

「だから言ってんでしょ、せめて薄手にしろって。伏黒も言ってやんなさいよ」

「暗い色なら薄手でも透けないだろ」

『そうかな？だったら買い替えよっかな』

「透ける？肌荒れって言ってなかった？」

『まぁそんな感じ～』

「ガバガバな隠し事すんじゃないわよ」

どうせ話す気ないならこれ持ってろ、とペットボトル飲料を渡され、荷物持ち認定されてしまう。
野薔薇が自販機の口から残りの飲み物を取り出していく。

「自販機もうちょい増やしてくんないかしら」

「無理だろ。入れる業者も限られてるしな」

『せめてレパートリー……、』

僕はその言葉を言い終えることなく。
見慣れたその姿が、数メートル先に立っていた。

一歩後ずさって、その姿を見据える。

「なんで東京(コッチ)いるんですか、禪院先輩」

「あっ、やっぱり？雰囲気近いわよね」

『(真希さんの妹……確かに)』

京都校から来たのであろう三人。
他の面々は知らないが、花厳良＿＿＿僕の兄がいることだけは、理解していた。

「アナタ達が心配で学長に付いて来ちゃった。同級生が死んだんでしょう？辛かった？……それとも、そうでもなかった？」

「……何が言いたいんですか」

「いいのよ。言いづらいことってあるわよね。代わりに言ってあげる。“器”なんて聞こえはいいけど、要は半分呪いの化物でしょ？」

「そんな穢らわしい人外が、隣で不躾に“呪術師”を名乗って、虫唾が走っていたのよね？」

「死んでせいせいしたんじゃない？」

ピリ、と。
両隣から、鋭い殺気を感じ取る。