独り白【呪術廻戦】【男主】 (ページ21)

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第十八話　妨害ページ21

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今回の任務は、僕一人に任されたものだった。
等級の調整により、手の空いている術師が僕しかいなかった＿＿という話だったけれど。

『……ガッツリいんね、しかも大したレベルじゃない』

「それじゃあ、帳降ろしますんで。何かあったら直ぐに帳から出て欲しいっス」

『了解』

二級の僕が駆り出されるほどのものじゃない。
低級の呪霊が数体いる程度。
そんな任務をわざわざ、この中学出身の僕に回してきたのは＿＿

『……花厳の嫌がらせか』

その答えを導き出した頃。
新田ちゃんの帳が完成して、黒い幕が降ろされてゆく。

『＿＿！！』

そして、その直前。
明らかに先程までとは違いすぎる圧を察知する。

帳が降りきる直前に現れたものだから、外にいる新田ちゃんも感じ取れていただろう。

灼然たる緊急事態。
ついさっきまで纔かだった呪霊の気配が、一気に濃くなった。

『強い呪霊が一体……じゃ無いか。そこそこの雑魚が異常な量発生してるってとこかな』

花厳家の嫌がらせもなかなかの物だ。
恐らく呪霊の詳細も、上にはバッチリ確認されていただろう。

それなのに、補助監督に嘘の情報を流して明らかに二級には相当しない任務を僕に当たらせた。

花厳家は雑魚一門とはいえある程度の権力は持っている。
一門内での不祥事を処理しているという名目である以上、僕に対する邪魔を他人に口出しされることは無いに等しい。

邪魔があまりにも酷ければ、五条家＿＿というか五条先生が割って入ることは稀にあるだろうけれど、御三家は基本ノータッチだ。

強い権力の前では胡麻を擂り、目に余らない程度に僕の邪魔をする。あわよくば呪術師を辞めさせたい……っていう感じかな。

『……ま、二級ってのは僕一人の等級だし、この程度じゃ死なないけど』

朽の情報は秘事とされているため、大半の人間には知らされていない。
上層部の人間と、御三家の一部と、あとは目にしてしまった人間のみ。
五条先生が上手く手を回してくれているおかげで、花厳家には未だに情報が入っていないのだ。

『花厳の術式をそれなりにしか使えない可哀想な二級止まりの呪質体。さっさと死んでくれってね。朽、おいで』

壁に手を当て、境界を拡げる。
その境界から、余裕そうな笑みを浮かべた朽が現れた。

『大掃除。手伝ってくんない？』

「それは構わないけど。根元に行かなきゃ無限発生でしょ？これ」

発生源が判明しているんだもんな。

数減らしゃ勝ちって訳でもないか。