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第十一話 薄暗 ページ13




「そんじゃ改めて」

「釘崎野薔薇。喜べ男子 紅一点よ」


四人目の一年生。
つい先程まで、街中でモデルのスカウトマンにスカウトされに行っていた中々の度胸の持ち主。
呪術師をやる女性ってのは皆これくらいガツガツしてるものなのかな。僕はお淑やかよりは こっちのが好きだけど。


「俺、虎杖悠仁。仙台から」

「伏黒恵」

『花厳愛ね、よろしくお願いします!』


野薔薇は見定めるように三人を見回す。
自分主導な感じが可也 生意気だけど、虎杖みたいなタイプよりは余程得意だった。むしろ僕と思考回路が似てる。

「これからどっか行くんですか?」

「フッフッフ……せっかく一年が四人揃ったんだ、しかもその内三人はおのぼりさんと来てる」


「行くでしょ、東京観光!」


虎杖と野薔薇は大喜びで五条先生に抱きつく。
つか、僕は別に都会に憬れなんてしてないんだけど。
それに、呪術師五人が揃って観光はない気はするが……

『黙ってたら面白そうだね、反応が』

「……」









_移動により着いたのは霊園の廃ビルだった。


「いますね、呪い」

『これが六本木は ちょい無理あったんじゃない?』


案の定、二人は相当なショックを受けている様子で。
虎杖は直ぐに切り替えてるけど。何と言うか、タフだなコイツ。

「それで、君達がどこまでできるか知りたい。まぁ、実地試験みたいなもんだね。野薔薇、悠仁、あと愛。三人で建物内の呪いを祓ってきてくれ」

『……なんで僕?』

「悠仁と友達になって欲しくって!」

『余計なお世話だわハゲ』


何となく、そういう事なんだろうと察しは着いてしまっていた。
別に僕だって理解ろうとしていないわけじゃないのだ、これ以上親交を深める気は更々無い。


『(それでも、この人が態々そうさせてるってのは___……出来る、ってことなのかな)』


虎杖への呪具の解説を横目に、やはり何を考えているのか分からない教師を睨みつけていた。







「あ〜ダルっ。なんで東京来てまで呪いの相手なんか……」

「?呪い祓いに来たんだろ」


廃ビルの中は、文字通り廃れてボロボロだった。
呪いが好みそうな陰湿さ。
僕的には、人混みよりはこっちの方がマシだけど。

「時短時短。二手に分かれましょ。私は上から1Fずつ調べるから、男子は下から。さっさと終わらせてザギンでシースーよ」

「ちょっと待てよ。もうちょい真面目にいこーぜ。呪いって危ねーんだよ」


いや、流石にそれは田舎出身でも知ってんだろ。

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作者名:リナ | 作者ホームページ:http://uranai  
作成日時:2021年2月20日 21時

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