カモとネギ (ページ2)

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憎めへん奴ページ2

ー川西ー

年末年始は漫才の番組が山のように舞い込んでくる

目が回るような忙しさで、大阪と東京を行ったり来たり

ヘトヘトにはなるけど、多くの芸人さんに会えるんは嬉しかったりする

川｢ゆずる、はよー｣

河｢お、賢ちゃんおはよう｣

大きい楽屋に入るとゆずるがもうすでにおって、携帯をいじってた。

今日何個目？なんて恒例の会話をしながら、ゆっくりと出番の準備を進めていく

ちらほら出演者が集まってきて、挨拶をしたり世間話したりと各々時間を潰す

やっぱり、芸人がようさん集まると煩くなるもんで、あっちそっちでふざけてる人がおって騒がしい

しかも、今日は若手でまとめられてて、気心知れた仲間やからか、特に煩い

あ｢川西さん｣

川｢おぉ、Aやん！どないしたん？｣

あ｢ちょっとの間でいいんで、僕と話してるふりしといてください｣

川｢ええけど、どないしたん？｣

あ｢無茶ぶりが酷くて｣

チラッとAが振り返った方向を見てみると、川原やらが好き勝手やっていた

あぁ、あれはしんどいな。

特にAは普段はおっとりゆっくりした奴やから

川｢あれはキツイな｣

あ｢年末はフルマラソン並にペース配分気をつけな、途中で体力つきたら剣太さんに怒られる｣

Aはシュンっと叱られた子犬のような顔をした

普段、割りとゆっくり喋るAは漫才になると同一人物やと思えんくらい早口で喋る

バラエティ番組でのトークと漫才とのギャップが面白いと、最近いろんな番組に出まくっている

今、人気の若手芸人ってやつ

漫才だけやなくて、Aの見た目も人気の1つ

もうまさに好青年って感じで、ロケ行ったりしたら街のおばちゃんに｢あんたはジャニーズの人？｣なんてよく言われとる

川｢Aってめっちゃ色白いよな｣

あ｢え、なんですか、急に｣

顰めっ面でもイケメンってなんなん

肌もツルツルやし、目もでかいし

ほんまにアイドルみたいやん

川｢なんか女の人がキャーキャーいう理由が分かるわ｣

あ｢いやいや、川西さんの方が人気あるじゃないですか！｣

川｢いや、俺はおっさんやん｣

あ｢…謙遜しすぎると逆に嫌味に聞こえますよ｣

川｢ほら見てみ、肌とか。Aと全然ちゃうやろ？｣

Aはずいっと顔を近づけて、至近距離でマジマジと俺の顔を見つめたあと

ほんまですね、なんてやけに真剣な顔して頷いた

うん、とりあえずシバいとこか