帰してくれ！！ (ページ3)

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ただ寂しいだけページ3

すっかり暗くなってしまったのでデート帰りに彼女を家まで送って行くことにした。

「マジで好きや〜透哉♡」

高く甘ったるい声で俺の腕にしなだれかかる女。別に俺に体重をかけてもいいのだが顔をあまり近づけないで欲しい。メイクが俺につく。

普段はフードを被り、喋れば尖った歯が見えて怖いと噂されている彼女。だが、フードを取った顔見れば、クラスの男子は手のひらを返してアプローチし始めると俺は思う。

いつも同級生の男友達が俺に女好きやらマドンナキラーだの恨めしいということが丸わかりな様子で言ってくるが、別に女が好きって訳ではない。ただ俺の隣で世話焼いて構ってくれるのが女なだけである。

小学生の時にいわれた

「透哉君は私のものだよねー♡」

透哉「はぁ？？」

「だって結衣に優しいもん」

当時は意味が分からなかった。だって普段挨拶ぐらいしかしたことのない女子からそんなことを言われたのだから。

だが時が経つにつれて分かったことは俺は女にモテる。しかも美人で可愛い女の子達から
ただーーーー

メンヘラでヤバイ女にしか好かれないということも

昔から独りが嫌だ。夜、寝る時が1番嫌い。だって人肌が恋しくなるから。俺が好き言葉は、愛縁奇縁。あと運命って単語も好きかな。だってロマンチックじゃん。

「なぁ話聞いとる？透哉」

声のトーンが下がっている。昔のことを思い出していると、ついぼーっとしてしまい女の機嫌を損ねてしまう。

これ以上放っておくと面倒なことになるだろう

真っ赤な嘘をつく。君が好きだよっていう酷い嘘。

「ごめんね。俺も好きだよぞ」

次の文字が出てくることはなかった。代わりに
「ゴホッ」鋭い痛みが俺を襲った。

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辞書参照
愛縁奇縁(あいえんきえん)･･･不思議なめぐり合わせの縁。人と人とが互いに気心が合うかどうかは、みな因縁いんねんという不思議な力によるものであるということ。