ボーダー隊員と純恋愛【風間蒼也】-完- (ページ10)

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10話似た境遇ページ10

『な…なによ急に////』

頬に熱が集まるのを感じて咄嗟に俯いた。

風間「昨日の居酒屋でも感じたことだ。
普段のお前は、作られたものなのだろうなと」

『………そーよ…』

この人になら、なんでも話せる。

そんな気がした。

『2人の兄がいる末の妹で、男勝りになるのは当然っちゃ当然でしょ。
でも、女手一つで私たち3人を育ててくれた母は、私に女の子らしくしてほしかったみたい。

だから他人には女の子らしく、もちろん身なりとかそういう目に見えるところも、作法とか口調とかもすごく厳しかった』

風間は黙って聞いている。

『昔からそう躾けられたから、それが板についちゃったみたい…。
本当は口も悪いし、性格も悪いし、女の子らしい服装もヒールも大っ嫌い！』

風間「そうか……頑張ったんだな」

ポンポン

頭をなでられる。

頬に暖かいものが伝った。

『あれ…？なんで？
悲しくも痛くもないのに…』

風間「それ以外にも涙は出る」

『嬉し涙…？』

風間「ああ」

『そっか、嬉しいんだ…風間くんに褒められて嬉しいんだ…』

風間「それがお前の家族か…？」

風間の家に忘れていたマグカップの横に置いた端末の画面が、通知のために起動していた。

『そうだよ…すごく仲が良かったの』

風間「そうか、お前が家を出て家族も寂しがっているのだろうな」

フルフル

首を左右に振った。

『もう…もういないから…』

風間は目を見開いた。

同時に彼女の頭を撫でていた手も止まる。

『お兄ちゃんたちは、近界民がいっぱい来たあの日に……』

風間「俺の…」

『ん？なんて？』

風間の小さい呟きに、聞き返す。

風間「俺の兄もだ」

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なんか暗い…。