ボーダー隊員と純恋愛【風間蒼也】-完- (ページ23)

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23話未来視男の画策ページ23

鬼怒田「トリオン思考比例体質ぅ？！？！」

「ええ、中の女性は僕の助手です。今40分ほど鈴宮さんと話しています。その間の脳波とトリオン量を計測したものがコレです」

モニターの画面を切り替えて見せられる。
トリオン量が増減を繰り返しているのがわかる。

「鈴宮さんは、自身が興味がある事柄、問題などを深く思考することによって、トリオンを作り出す能力を持っています。そしてそのトリオンは、脳へ作用し答えを導き出す」

城戸は先程からなにも話さない。
迅は知っていたかのように終始黙っている。

「明確には、思考をすることによりトリオンが急激に増え、増えている間だけ答えを導き出すという副作用(サイドエフェクト)が使えると言った方が正しいかもしれません」

鬼怒田「司令！このような貴重な人材、手放すのは惜しいでしょう！！」

そんなことは百も承知。
城戸は迅をみる。

城戸「迅」

迅「話してみるといいよ、城戸さん。面白い彼女の意見が聞けちゃうかもね」

この未来をみる男は彼女に会ってどのような未来を見たのだろう。城戸は迅の副作用(サイドエフェクト)に信頼を置いている。
今回は未来視の男に従うことにした。

城戸「ここを開けてくれ」

「はい」

先程までマジックミラーで見ていた部屋のドアが開かれる。
城戸は迅を一瞥すると、中へと入る。

迅「鬼怒田さんも行った方がいいですよ」

鬼怒田「あ…ああ」

迅に従う城戸と、自信満々の表情を浮かべる迅に戸惑いながらも城戸に続いて鬼怒田も扉の中に入って行くのだった。

迅「ふぅ……ここまで来れば、もう最善の未来に辿り着ける」

常にトリオン体でいる迅、汗はかかないはずだが、額を袖口で拭うような仕草をしてマジックミラー越しに少女を見つめたのだった。