ボーダー隊員と純恋愛【風間蒼也】-完- (ページ21)

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21話脱退表明ページ21

会議室に集められる面々。

城戸、鬼怒田、根付、唐沢、そして最近隊を作ろうとスカウトに回っているという城戸のお気に入り風間。

「実力派エリートただいま戻りました～」

迅悠一はビシッと敬礼する。

鬼怒田「遅い！それで、モールモッドを換装なしで引きつけようとしたC級隊員はどうなった？その隊員の情報は？！」

迅「落ち着いてくださいよ～鬼怒田さん。
まず、名前は鈴宮A、数ヶ月前に入隊したばかりのC級隊員です。18歳の高校3年生、若いね～」

その名前に城戸の横に立つ風間はピクリと反応した。自身が今まさに、隊を組もうとスカウトに行くはずだった名前だからだ。

鬼怒田「私語はつつしまんか！
聞いたところによると、トリガーも所持していたようだが、隊務規定を従順に守り、市民の安全を優先して行動したようです、どうです司令、賞与を与えて正隊員にされては？」

会議室にいる全員の視線が城戸に集まる。

その視線を「あー」と間の抜けた声が攫っていく。
実力派エリートは困ったように左手を少し掲げた。

その手の中にはトリガー。
C級隊員用の訓練トリガー。

城戸「どういうことだ、迅」

迅「彼女から預かってきました。
"記憶はいらない"そうです」

会議室の空気は重くなり、これから伸び代のあるC級隊員が脱退を希望し、記憶操作措置も受けると意思表示したのだ。

風間「なぜだ。なぜ鈴宮はボーダー隊員を辞めたがる」

迅「それは本人に聞いてよ、風間さん」

迅は笑顔で答える。
風間は表情を一切崩さず、何も言葉を発しない。

迅「だが城戸さん、鈴宮Aの記憶は消さない方がいい」

全「？？！！！！」

鬼怒田「そんなわけにはいかんだろう！！！何を言っている！！」

迅「城戸さん、鬼怒田さん、一度彼女と会った方がいい。彼女にはサイドエフェクトがある。」

またもやその場にいた全員が驚いた。

迅「彼女は間違いなく、ボーダーにとって貴重な存在になる。俺のサイドエフェクトがそう言ってる」