出会いは貴方が降ってきたから...2《阿伏兎》

落下物49 ページ14

「...それよりさ阿伏兎」








「んだよ」









感動する感じで抱きしめているところ悪いんだけど...


あの、非常に言い難いんだけど...。









「



イ"ダイ"イ"ダイ"!!!鎖骨痛いよ〜!!」









先程銃撃された鎖骨の部分が本当に痛いｯ!!


ついでに言うと、横腹部分も痛い!!




そう叫ぶと、阿伏兎は飛ぶように私を離して

「悪いｯ!!」と謝った。



ボフｯと音を立てて私は再びベッドに寝転んだ。






やっべぇ、超痛かったわ。


阿伏兎すまん、感動より痛さを選んだ私を許せ。









手を合わせて心の中で謝罪した、アーメン。









「...大丈夫か?」









「あ、うん、大体」









そう言って、私はさっき暖かった手を見つめた。


そういえば、阿伏兎が手...握ってくれてたんだよね。









「ふふｯ」









思わず笑みが出ちゃった。



普通の反応だろうか、阿伏兎が「どうしたんだ」と聞いてきた。



ここでどうして手を握っていたのかを聞こうと思ったが

私は「何でもないよ」と答えた。



これは、聞くのはやめておこう。






そっと自身の手を、包み込むように握った私。




あの温もりを忘れぬように。

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