意外な発見 ページ29
「毎年恒例強化合宿…なんだけど、去年は人数の都合上行かなかったんだよね。ただ、今年は5人以上いるから行ってきなーって、1週間前くらいにいっちゃんから」
「この1週間リーダーは何をしてたんです…?」
「………あはは」
笑ってごまかせると思っているのだろうか。
……いや、思ってるのだろうな。
「けどまぁ、3日もあれば用意できるよね?ここに書いてある奴各自用意して…あ、学生組の服装は私服でいいからね」
*****
8月14日(火)
「さて。…やるわよ」
「毎年恒例!強化合宿!!」
「「いえーい!!」」
と、やる気満々なのは透さん、真夏さん、夕日ちゃんの3人だけ。
こうも暑いと、やる気が削がれるものだ。
それに_____________…
「あっ、待って、また気持ち悪く…」
『春日くん袋こっち!』
「ちょっと飲み物買ってくる」
『え、もう足りなくなったの!?ゆづ1人で大丈夫?…ていうか惠さん!そこ座ると危ないです!』
私を除く、元気でない3人はどうやら乗り物酔いしやすいらしかった。
…というのも、真夏さんの運転がかなり荒かったというのが大きいのだけれど。
「全く…情けないなぁ」
『真夏さんが言わないでください!』
初めから少し心配ではあるけれど…島を貸切という、さすが正染と言わざるを得ないこの合宿が……始まろうとしていた。
*****
「この時期はどこでも合宿なのね。紅蜂もグループで分かれて行うそうだけど…こっちはどうする?費用もかかるし面倒なのだけど」
「…えぇ、そうですね。東堂様の判断にお任せします」
「けど、多少とは言えあの兄妹で穴が空いたのも事実なのよねぇ」
「…えぇ、そうですね」
エアコンが効いた室内。
彼女は足を組んで頬杖をついていた。
同じ言葉しか返さない彼は、彼女の分の仕事をこなしていた。
しかし、彼は決してそれを苦に思っていたわけではない。
彼も、ただの駒であることに変わりはないと…そう悟っていたから。
「……」
東堂さんの部屋を通り過ぎ、ふと考え事をする。
…紅苹果の、真夏さんからの話だった。
あの後 Aちゃんと会ったのは終業式の日。
恐らく彼女も、真夏さんと死蝶の話はしたと思うけれど…彼女は何も気に留める様子もなく、笑顔だった。
「すごいな、Aちゃんは」
そう呟いた直後、携帯が振動した。
画面には、私にとって大切な人を表す文字。
私は少し笑んで、通話を始めた。
「もしもし、____?」
*****
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リナ@オリ垢(プロフ) - 星雲さん» コメントありがとうございます!めちゃくちゃ嬉しい言葉です…!頑張ります! (2019年3月11日 13時) (レス) id: 4ca9bb93a1 (このIDを非表示/違反報告)
星雲 - すごく面白い!私は真夏さんが好きです!イラストも私の好みです♪更新頑張ってくださいね! (2019年3月11日 8時) (レス) id: 856336a373 (このIDを非表示/違反報告)
リナ@オリ垢(プロフ) - 如月 唯奈さん» コメントありがとうございます!はい、頑張ります! (2018年12月18日 20時) (レス) id: d33000d880 (このIDを非表示/違反報告)
如月 唯奈 - リナさん、初めましてっ!( ☆∀☆)面白かったです!私も殺し屋を主人公とした小説を作っています。更新頑張ってくださいね! (2018年12月17日 1時) (レス) id: 0a57facb33 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リナ@オリジナル小説垢 | 作者ホームページ:http://uranai
作成日時:2018年11月25日 11時