いつも通り ページ7
「とにかく、今日はもう帰れ。今の騒動で殆ど活動時間がない」
『はぁ…。そう、ですね。』
立ち上がったところ、ふと気がつく。
この人の名前、聞いてない。
「…あ、忘れてた」
「部長の氷高だ。お前の入部は歓迎する。だが、妙に口出しすればぶっ飛ばす。じゃあな」
…うん、やはり、キャラが濃すぎた。
*****
「お疲れ。双葉はやっぱドMだな」
『ちょっと待って結弦くん!?』
なんだか楽しそうなゆづ。
分かってて言わなかったのか…。
「でも、抜ける気ないんだろ。なら根性で食らいついてみろよ」
煽るように私に視線を向けたゆづ。
数センチの差だけど、見下されている感じが若干イラっとくる。
『そう、だね。頑張…__』
「「わぁぁぁ!!」」
グラウンドの方から歓声。
黄色い歓声も時折聞こえるが。
「…行くぞ」
『うん、あれ、何?』
「今度の学年合同の授業でわかる」
『へぇ…』
ゆづは、グラウンドの方を見てため息をついてから再び歩き出した。
「名前だけ覚えといたらいいんじゃねーの。一年と二年の轟兄妹。銃使いの天才」
“轟夕日!以後お見知り置きを!”
今朝会った女の子を思い出す。
あの子、結構小柄だし可愛い感じだったけどもしかしたら__…
『ちょっ、ゆづ速い!』
自分のペースで生きてる人だなぁ、この人。
*****
「はぁぁぁ……明日休んでいい?良いよね?」
「だーめーでーすー。大事な講義でしょ?毎日出席しなさい。」
「そういう透は明日は真昼間から飲みですかね」
「………」
惠さんの大学生らしい一面、初めて見たかもしれない。
玄関で靴を脱ぎ、フローリングに上がる。
「あ、お帰り〜。ご飯〜。」
「私も手伝うわ。」
この家庭感、落ち着くなぁ。
なんて苦笑をしつつ、カバンを下ろしてご飯の用意をする。
『あれ、透さん。今日の買出し係って誰でした?冷蔵庫がほぼ空ですけど…』
「今日?今日はー…」
「…夏」
*****
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作者名:リナ@オリジナル小説垢 | 作者ホームページ:http://uranai
作成日時:2018年7月15日 12時