槍が降る ページ39
___連射音。
相手の武器は、
持続的に銃弾を入れ替えられるうえ、装弾数が多い。
このまま相手の弾が尽きるのを待つ前に、確実にやられる。
「蜜葉。残弾は幾つだ?」
「…言うかよ」
「粘る意味もないけどな。…試合開始で銃弾補充して余裕だし?」
「…!」
どうやら、敵が来る前にテントの銃弾を回収しておいたらしい。
恐らく使い切らない量は手元にあることだろう。
かなり豪快に使っていることが証拠だ。
「ってことで、さっさと死んでくれよな。あとはAチームの女の子撃ったら終了ーって…、
……は?」
「?」
後ろで何かが起こっていることは明白だった。
聞き間違えでなければ、たった一発、銃の音。
声色からして、花袋先輩が撃たれたように感じるが。
…もしそうだとすれば、撃った主は…
『正々堂々って、行ける気がしないけど』
「……成長したんじゃねーの、双葉」
「あとちょっとだったのに…一騎討ちかよ」
花袋先輩の左胸に赤色のペイントがある。
間違いなく双葉だ。
相手の正面へ立つ。
凛々しい表情の、双葉。
「…じゃあ、行くぞ」
『…うん。いつでも。』
お互い、銃口を向け__
*****
『本当にすみませんでした!全く活躍できなくて!!』
「大丈夫ですってば!花袋先輩を撃った時は惚れそうになりましたもん!」
「そうそう。私らの方がすぐ脱落しちゃったし。それに、撃たれた相手が優勝したんなら良いかってなるでしょ?」
あれから数分が経ち、結果としては私とゆづが戦いゆづが勝利し、槙野先輩にも同じく勝利した。
…つまり、優勝はBチーム。
もちろんMVPはゆづだ。
『……けど、楽しかったです』
「…なら良いよ。」
優しく笑った宮木先輩。
私は夕日ちゃんに目を向けるのだが、そこに夕日ちゃんはいない。
『……あれ?』
「双葉」
『……あ、ゆづ。』
片手に持ったのは、優勝商品の封筒。
確か、装備一式が貰えるんだったっけ。
「これ。いつも使ってる店 登録したから。」
『というと?』
「装備一式とか、紅苹果からすれば組織の備品だからな。足りてないお前に回ってくるのが定石」
…つまり。
優勝商品を私にくれるって、こと…だろうか。
『珍し……、痛っ!』
*****
「…はい、じゃあ任務に移行します」
《紅苹果の相生がサポートだ。任務は今日深夜。できるな》
「我々兄妹は 真紅に命を預けた身。何が何でも任務を達成してみせます」
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作者名:リナ@オリジナル小説垢 | 作者ホームページ:http://uranai
作成日時:2018年7月15日 12時