学生のノリ ページ4
「あー、はいはい。今日転入の双葉さんだったね。2年B組担任の浦田夏樹です」
『よろしくお願いします』
「蜜葉と同じ紅苹果なんだよな？仲良くやってんの？」
担任は三十代後半くらいの貫禄のある人。
戸岳さんより少し年上くらいだろうか。
彼はからかうようにそう言う。ゆづはやはり扱いづらいのだろう。
『まぁ、仲良くと言いますか…それなりには』
「だろうなぁ。アイツマジで冷てェもんなぁ。」
『お気持ちお察しします…』
本当に、彼は敵を作りやすい人だ。
＊＊＊＊＊
それから、教室に入って自己紹介をして…今は2限目の後の業間休みだ。
隣の席には、菅乃くんという子がいた。
「え！あの少人数で有名な紅苹果！？」
『そう、だね。少人数。有名なんだね』
「そりゃあ、都内じゃ3つしか組織がないわけだから。その中でも紅蜂も真紅も大規模大人数だぜ？気にもなるわー。なっ、蜜葉！」
「………」
うわぁ、ガン無視だ。
いい加減勉強したし、ゆづはこういうタイプが本当にダメなのは分かる。
同い年ってだけあって、そこまで当たりは強くないみたいだけれど。
「いい加減にしないとお友達無くしますよ〜？」
「少なくともアンタを友人と思ったことはねーよ」
顔が怖い。目つきが悪い。
ゆづの表情に苦笑しつつ、私は疑問に思ったことを菅乃くんに尋ねた。
『ねぇ、この高校って各都道府県にあるんだよね？…てことはこの高校、3つの組織の人しかいないってこと？』
「そういうことになるわなー。北海道なんかは範囲が広いから高校も多いけどな、その分人数も少ないんだわ」
『やっぱり、ここまで人数が多いのは東京だけ？』
「そ。」
なるほど、納得だ。
いくら人口が増えてきているとはいえ、各都道府県で全学年合計400人も生徒がいるんじゃ正染が大規模すぎる。そこまで規模の大きいものなら、私ももっと知識があったはずだし。
「次選択だろ。急げよお前ら」
「『あ、ホントだ！！』」
「そっちのが仲良いだろ」
確かに重なったけど…。
と、教室を出ようとするところで声をかけられる。
「あ、双葉さん！次射撃の授業でしょ？一緒に行こう！」
ゆるく二つに縛った色素の薄い髪の女の子。
クラスメイトの…八戸さん。
『あ、うん！よろしくお願いします！』
私は体育着のジャージを持って彼女の方へ駆けて行った。
「いやー女子っぽくていいわぁ、好み」
「菅乃は如何にも男子だけどな」
「何だよそれ！モテ男の余裕か！」
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作者名：リナ@オリジナル小説垢 | 作者ホームページ：http://uranai
作成日時：2018年7月15日 12時
