命中率 ページ20
7月29日(日)
「じゃあ、今日の計画の最終確認するよ」
基本的に指揮を行うのは ほとんど透さんだけど、作戦内容を考えるのは主に惠さん。
この人は広範囲の知識の持ち主だから、らしい。
「瀬名の出入りが見られるのは昨日言った通り都内の高級ホテル。そこをネメシスの一部分が襲撃するとの情報。瀬名はネメシスとの繋がりもあると思われているから、なるべく泳がせること。」
「車内待機が俺と真夏。透と新人ちゃんと結弦は潜入部隊。基本は固まって行動だけど 万が一、一人で接触した方が良さそうな場面があったら男相手は透、女相手は結弦に任せる」
二人が頷く。
私は状況を判断して、もし二人に何かあったら判断を委ねられている。
それから、銃撃戦も任せられた。
「……緊急撤退条件は重傷者が出た時。任務成功条件は＿＿＿瀬名の確保。ネメシス一部の逮捕はできれば、であって必須事項じゃ無いから履き違えないでね」
惠さんは再び口を開いた。
「…そうだ、新人ちゃん。銃の新調ってまだだよね」
『そうですね。今週末に買いに行く予定ですけど…』
「じゃあこっちおいで」
と、手招きされる方向は玄関の方角。
惠さんは玄関を出て、階段を上る。
この建物は三階建てで、一階は透さんのお店、二階は私たちが使っている事務所だ。
三階は…まだ一度も行った事がない。
『惠さん、ここって全部 紅苹果が使ってるんですか？』
「そうだね。…三階は物置とか、あとちょっとした射撃場とかはある」
確か、この建物の裏にはフィールドがあって、そこでも射撃練習とか実践練習ができるって透さんが言っていた気がする。
思ったより大きいんだなぁ、紅苹果って。
「まぁ、真紅も紅蜂も もっと大きなビル貸し切ってるけど」
『………』
…やっぱり、他と比べれば小さいとこなのかも。
十分大きいとは思うけれど。
＊＊＊＊＊
『こ、こんなにあるんですね…』
「少ないくらいだけどね。ただ、一般に配られた銃じゃ歯が立たないだろうし…付け焼き刃だけどこっちの方がいいかなってね」
三階には、たくさんの種類の銃が並べられていた。
これも他の組織と比べちゃいけないんだろうな。
「これとか試し撃ちしてみたら。反動も小さすぎないし、新人ちゃんの手のサイズにあってると思うんだけど」
『分かりました、撃ってみます』
あの時みたいに。
照準を合わせて、引き金を引く。
銃声の後、視界に入った的は＿＿＿…
真ん中に、穴が開いていた。
＊＊＊＊＊
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作者名：リナ@オリジナル小説垢 | 作者ホームページ：http://uranai
作成日時：2018年7月15日 12時
