変化 ページ11
「はい、帰宅ー!」
「おかえりなさい。遅いからカップラーメンで済ませちゃったわよ」
「そっか。じゃあ俺らもカップラーメンにするねー」
手際よくカップラーメンのあるところから取り出していく真夏さん。
私は買ってきたものをしまっていく。
「…何かあったのか」
『近くで事件?があったみたいで…けが人の応急処置のお手伝いをしてた』
「へぇ」
てっきり、あっそ とか言われそうだと思ったのだが、思っていたより興味ありげで驚いた。
私は袋から取り出した包帯が薄いことに気づく。
『買い直さなきゃなぁ…』
「明日の帰りだろ。付き合う」
麦茶を飲み干し、部屋に戻るゆづ。
時間的にもう帰るんだろうか。…なんて、そんなことよりもゆづの優しさが身に染みた。
「蜜ちゃんデレデレー…」
『変なこと言わないでください!』
と、言いつつも少し顔が熱いのは、どうしてだろうか。
*****
7月27日(金)
「ここを固定して……こう、する。」
『なるほど。じゃあ、ガーゼはこのタイミングですね』
「そうだな。…ただ、現場に行くと包帯の切れが早いだろうから、余分に持っておくと良いぞ」
…あれから。
たぶん、彼女の態度が大きく変わったのはこの間の事件がきっかけだっただろう。
それから、一週間も無い期間だけれどある程度の応急処置は出来るようになった。
おかげさまでゆづに置いてかれるくらいには帰りは遅いけれど。
「こんなものだな。…あ、そうだ」
『何ですか?』
棚からファイルを取り出した彼女。
中にある紙を私に見せる。
「来週ある合同授業で、救急班を頼まれた。お前も出場する番はあるが、基本保健医と一緒にテント下待機だ」
『合同授業って、何するんですか?』
「そうだな、大体はサバイバルゲーム紛いのものだな。お前、何組だ?」
ペラペラと先ほどのファイルをめくりながら聞かれる。
私は口を開いた。
『B組です』
「てことは僕と同じグループだ。1年から3年のA、B組とC、D組に分かれて授業が行われる。」
『何だか、ゲーム性があって面白そうですね』
「そうだな、楽しい。チーム分けは学年も問われずにくじ引きだしな」
彼女の表情に自身の頬も緩む。
楽しみだ。
というところで、携帯にメッセージが届く。
透今日早めに帰れる?次の任務の話をしたいです
*****
都合上、4話のタイトルを変更致しました。
ご迷惑おかけしました。
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作者名:リナ@オリジナル小説垢 | 作者ホームページ:http://uranai
作成日時:2018年7月15日 12時