〈オリジナル〉殺し屋系グループでドSな相棒が出来たのですが。

知らないこと ページ25

それから、とりあえず帰宅した。
ゆづくんは警察庁から来ている事件の資料を読み込むと言って個室にこもった。
透さんはバーの方のお仕事。
恵さんはパソコンの調整、真夏さんはリビングでゲームをしている。


私は、今朝透さんから渡された書類の束を読んで、あと申請書とかを書くことにして部屋へ。

『やっぱ知らないことばっかだなぁ…。』


ただニュースでちょっと聞いたくらいじゃ、分かることの方が少ない。
今までの女子高生生活も悪くなかったけど、今までは本当に流され続けてたんだと痛感する。

それから、透さんの親切心で先日の事件についてまとめたものも渡されていた。
死亡者…両親と真里奈の名前、それから、それらの経歴。
で、私の知らないところで何が起こっていたのか。


まずこの組織、紅苹果に音声加工された動画が送られた。
それを見るにもパスワードやらロックやらがかかっていて、それは恐らくこの組織の腕前を確認するもの、それからちょっとした挑発だったと考えられる。

動画の内容は、都内の女子高生 一人を殺害するという予告動画。

これを本部と相談して、これからの脅威となり得るかもしれない犯人を捕まえるため、そして予告をされながら未然に防げないという失態をおかさぬよう、その“一人”を見つけ出し保護することになった。


そこからは私が見て来た通り。


それから…私の保護にはもう一つ、理由があったと考えられた。



【所属人数が極めて少ない紅苹果の人数を増やすため】と。


たしかに、私を含めても五人だが…実際のところどうなのだろう。
ほかのグループだと何十人とかいう数になるんだろうか。


『ダメだ…知らないことが多すぎる…』

頭が痛くなりそうだ。
ともあれ、明日になればある程度の知識は得られそうだ。百聞は一見にしかずと言うし。


勉強を終わろうと席を立ったところ扉がノックされる。
すぐにわかった。真夏さんでないことが。

『はい、どうぞ？』


部屋を訪ねたのは意外にもゆづだった。
さっきはサラッと流せたが、冷静になって見ると少し気まずい。
向こうからすればちょっとからかっただけなのだろうけど。


「今回の警察からの依頼、お前と俺で受けるぞ」


『えっと………、え？』


つまり、二人だけってことだろうか？？

笑う→←結弦は何種？

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す