7話 ページ8
夢主side
「うーん…一通り聞いたかな。じゃあ次が最後の質問ね、その僕らが出てるっていう漫画のストーリーを教えてよ」
名前や住所などの基本的な事から、今までどう過ごしていたのかなどの生い立ちまで、色々説明されたあと、ぴっと人差し指を立てて最後の質問をしてくる。
私は腐フィルターを外した原作のストーリーを淡々と説明した。
虎杖悠仁という男の子が両面宿儺の指を取り込んでしまって呪術界に足を踏み入れたこと、その上一度死んで生き返った事。
東京校と京都校の交流会の内容など、私は30分以上かけて、それはもう事細かに話した。
………………はずだったのだ。
「なるほど？でもごめんね、8割位何言ってるか分かんなかった！」
五条悟のその言葉に空いた口が塞がらない。私の30分を返せ。聞いてなかったのか？？？聞いてなかったんだな？？？と五条の胸ぐらをつかむ。
「いや、ばっちし聞いてたんだけどね？言葉の意味が理解できないっていうか…。なんて言えばいいのかな、脳が理解するのを拒んでるっていうか」
その言葉にぞわりと鳥肌が立つ。私は難しい言葉を使ってはいない。なのに、目の前の彼が理解できなかったということは、きっと“伝えられなく”なっているのだろう。初めてもろに感じた人智を超えた力に恐怖を感じた。しかし、そんなことではめげないのが、この五条悟である。
「うーん…言葉で理解できないなら文字で書くか絵を描くことってできる？」
素で「天才か？？？」と声が出た。
それならどちらも試してみようと用意してもらった紙に絵と文字を書いてみる。しかしそれも“見えなかった”。五条さん曰く「線としては理解できるんだけど、絵として見ようとした瞬間に思考回路がバグる」らしい。文字も同じだった。
最終的に漫画の話はどうしたって伝えられないという結論に落ち着いて、諦めることになったのだが、私の絵をじっと見ていた五条悟がぱっと顔を上げて言う。
「ねね！もう一枚紙を上げるからさ、適当に好きな絵、描いてみてよ」
そう言って新しい紙を差し出す五条悟。
不思議に思いつつも、目の前に置いてあったティーカップを描く。
すると、描き終わった瞬間にじっと私が絵を描く様子を見つめていた五条が言う。
「じゃあこの絵にAの血垂らしてみて」
そう言ってどこからか針を取り出して差し出してくる五条…
ｱｯ、サイコパスの方………？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 25人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
雪猫(プロフ) - おにぎりさん» そんなｯ！！ありがたき幸せ…！ところで脱ぐのは上ですか下ですか？？？？取り敢えず目隠し捧げときますね…これで暖まって…（？） (2021年3月4日 13時) (
レス) id: 2147c9da58 (このIDを非表示/違反報告)
おにぎり(プロフ) - エッッこれ絶対おもろいやつじゃないですか！！更新を半裸で待機してます！！ (2021年3月3日 19時) (レス) id: 694d1d013e (このIDを非表示/違反報告)
雪猫(プロフ) - ラーメンうどんさん» も゜ｯ（嬉しさの声）ありがとうございます！私も好きです（？） (2021年2月28日 22時) (レス) id: 2147c9da58 (このIDを非表示/違反報告)
ラーメンうどん(プロフ) - あっ好きです（突然の告白） (2021年2月13日 6時) (レス) id: 014afc7809 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：雪猫 | 作成日時：2021年1月22日 0時
