カフェオレ (ページ21)

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部屋ページ21

ひゅうがSide

泣きながら電話がかかってきて、大体の予想はついた

俺に向けられた涙じゃないことくらいわかってる。

それでも行かずにはいられなかった。

A「…ひゅうが」

「ん、どした？」

A「私、まだ帰りたくない」

わかってる。だから俺を呼んだんだろ？

大丈夫、一人にしないから

もうそんな顔すんなよ。

「おー、どこ行きたい？」

A「わかんない、どこでもいい」

「あのなぁ！一番困るんだよそれが！(笑)」

A「え～待ってね、うーん…」

Aが悩む間とりあえず車を走らせた

変わった変わったと思ってたAも、
助手席に乗ると体をこっちに向けるクセは
まだ治ってないみたいで、少し安心した。

「行きたいとこ決まったー？」

A「…どこでもいいの？」

「いいよ！海外でもどこでも連れてってやる！」

A「あのね、私行きたいとこ一つあった」

「どこ？そこ行こうぜ！」

A「ひゅうがの部屋、行きたい」

「…え？俺の部屋？」

A「うん、久しぶりに…ダメ？」

さすがに友達の彼女を家に上げるのは…

しかも今日に限って、お母さんは仕事でいない。

二人っきりになったらまた、あの日みたいに

勢いで何かを言ってしまうかもしれない。

「えーっと、他に行きたいとこは？」

A「ない、ひゅうがの散らかった部屋がいい」

「散らかったは余計だろ」

A「だっていつも散らかってたじゃん(笑)」

「もう今は綺麗だわ！見て驚くなよ！」

A「やったぁ、じゃあ行っていいのっ！？」

そんな嬉しそうな顔されたら、

断るにも断れねえよ…。

*

*

「ちょっとだけここで待ってて」

A「はぁーい」

Aを部屋の前に残し、急いで部屋を片付ける。

まさかAが来るなんて思ってもなくて、
部屋の中は飲みかけのペットボトルやら服やらで
ぐちゃぐちゃに散らかっている。

A「散らかってても気にしないよー？」

「いや散らかってねぇから！いいから待って！」

A「んー、まだー？」

「全然まだ、絶対ドア開けんなよ！」

A「わあ、やっぱ散らかってるっ」

「いやいや開けんなって言っただろ！」

部屋に入ったAは、すぐにベットに座った。

付き合ってたとき

『足のふみ場がない！』って、よく怒られたっけ。

…何も変わってねぇな、俺。