猫マネとコムドット

自信 ページ35

行きの車も会話が少なく、
まともにゆうたの顔が見えなかった。



やまとの元気な声で撮影が始まり、私はカメラ外に座る。


…今更だけど、ゆうたはYouTuberなんだよね。

沢山のリスナーさんに愛されて、

これからもどんどん有名になっていく。



…私なんかが、ゆうたの彼女でいいのかな。




急に今までにないほどの不安が押し寄せてくる。



私はずっとゆうたと一緒に居たい。



ゆうたは、



いつまで私と居てくれる？






*


*




撮影が終わると、皆で少しだらっとする時間。

いつもならこの時間が大好きなのに
今日は居心地が悪く感じてしまう。


なかなかゆうたの隣には行けなくて、
ゆうたもそれを察してか少し離れて座った。





やまと「A見て見て！」



ひゅうが「は？俺のがやべーから！」



「ねぇやめてよ！(笑)」





全力で変顔をしながら笑かしてくるやまととひゅうが

この二人のテンションに救われる。



私の正面に座った二人は、小さな声で話した。



ひゅうが「ゆうたと喧嘩中？」

やまと「何かあったんだろ？」



…さすが、この二人は超鋭い。



「喧嘩はしてないよ、ただ私が…」



やまと「私が？」



「うまく言えないんだけど、不安になっちゃって。」



ひゅうが「…なるほどね。」



やまと「は？何なるほどねって。俺わかんねえ！」



ひゅうが「バカお前声でけーよ、ゆうたに聞こえる」



やまと「何？不安になって？何で？」



ひゅうが「お前ちょっともう喋んないで」



やまと「はっ！？」



ひゅうが「とにかくA、自信持て。」



ぽん、と頭に手を置かれ、少し泣きそうになった。



「なんで全部わかるの？」



ひゅうが「Aの顔見てたら大体わかる」



やまと「俺もわかった！A、可愛いすぎるから
逆に罪感じてんだろ？俺と同じ悩みじゃん！」



ひゅうが「…まあ、お前の度を超えたナルシストも今は役に立つわ。」




二人と話していると、少し気持ちが楽になった。






自信を持て…か。


簡単そうで、案外これが難しいんだよね…。

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