御曹司ボーイズ II

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椿「…無理しないでよ。
友達でしょう？

それに、見てたの。
ツーショットデート。

A、この前私に言ったこと覚えてる？



“えっと……陸さん。”



私に好きな人を教えてくれた事。

私ね、Aには幸せになって欲しいの。」




椿の言葉、顔を見てたら涙が溢れてきて、
零れ落ちた。




「っ、」



泣き顔なんて見せたくなくて、止めようとするけど、止めようとすればするほど、溢れ出てくる涙。




椿は、そんな私に何か言葉をかけるわけでもなく、ただただ抱き締めてくれていた。




「っ、ごめん。ありがとう…。」




自分でも、何が悲しくて泣いてるのか分からなかった。



いろんな感情が渦巻いて、自分でもどうして良いのか分からなくて、

『プリンス マリッジ』に参加する前は、こんな気持ちになるなんて思ってなかった。

少し前の自分には想像出来ない気持ちが私の中をグルグル回っていて。


自分でも、解決出来ない。





こんな私を、椿がどんな顔をして見ていたかなんてこの時の私は知らなかった。

自分の事で精一杯だった私は、椿の言葉を聞き取ることが出来なかった。

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