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Orange
『も〜楽しく飲もうや〜！』
そう言って、本日何度目か分からない乾杯の仕草をとるAちゃんのグラスをとってテーブルに置く
『え、ちょっとなにす…』
｢Aちゃん、知っておいてほしいんやけど｣
Aちゃんの手首をとり一気に近付く
｢Aちゃんを好いとる男は世の中にはいっぱいおるから｣
『ちょっと…』
｢男と2人きりになったらこういうことになるから
メンバーだからって安心してたらあかんで｣
『嫌や、ちょっと待って…まるちゃ』
手をとりソファに倒しながら話を続ける
抵抗の言葉が出てくるあたり、この距離感を知らないほど子どもではないらしい
『待って…まっ』
｢Aちゃんは待てが多いなあ｣
おでこ同士がぶつかりさらに距離が縮まる
『…酔うてるの？』
｢ははっ…そうかもしれんなあ｣
｢なあ、Aちゃん
酔いに任せて言いたいことあるんやけど、ええ？｣
『目の前にいる酔っぱらいに免じて大目に見よう』
｢言うたな？｣
今までちゃんと言えなかった言葉
真剣に伝えても伝わらんかった言葉
｢A｣
｢愛しとる｣
…
……
………あれ
耳元で言ってみせた言葉に無反応のAちゃん
もっと反応あってもええんとちゃうか…？
その代わりに聞こえてくるのは規則正しい呼吸音
｢ちょっとAちゃ…｣
……やっぱり寝とる！！！
あれか！？
『丸ちゃんの体温落ち着くわ〜』現象か！？
どうやら一世一代の告白も眠気には勝てなかったらしい
｢Aちゃん…そりゃないわ…｣
とはいえ家主を差し置いて先に眠ってしまったAちゃんを放っておけるわけはなく、ソファから起き上がりAちゃんを抱えて寝室へ向かう
せめてベッドの上で寝かせてあげたい
ああ、そうや
そのまま一緒に寝てしまおう
シャワーを浴びて出直してきた時には
背を向けて小さく丸まって寝ていた
反対側に回り込み、顔が見えるように横になる
何も知らない、汚れのないような寝顔
Aちゃん
Aちゃんは知らんかもしれんけど
さっき言うたこと結構本気なんやで
Aちゃんに初めて会った時から
僕はAちゃんしか見とらんよ
いつこっち向いてくれるん？
｢…おやすみ、A｣
Aのおでこにキスをして瞼を閉じた
どうか忘れていて
ボクらの大事な
たったひとりの
.
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ジェジュチャミ(プロフ) - すごく面白いです！ランキング上位頑張ってください！！ (2017年6月19日 1時) (
レス) id: 6022172475 (このIDを非表示/違反報告)
わかさぎ(プロフ) - ジェジュチャミさん» 本当ですか！めちゃくちゃ嬉しいですありがとうございます;;;不定期な更新になってしまいますがこれからもよろしくお願いします(_ _) (2017年6月9日 17時) (レス) id: de740aa79f (このIDを非表示/違反報告)
ジェジュチャミ(プロフ) - 更新楽しみです！待ってます！！わかさぎさんの作品好きです。 (2017年6月9日 15時) (レス) id: 6022172475 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わかさぎ | 作成日時：2017年4月26日 7時
