キミはボクらの

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Orange



｢どうぞ｣
『お邪魔しま〜す』
｢お邪魔されま〜す｣


『てか、部屋に着くまで入り組みすぎやって』
｢ごめんなあ…あ、ソファとか座っとって｣


セキュリティのため、と言って奥深くに家があるから少し歩かないと着けない
ほろ酔い状態だからか時間的な問題だからか、少し眠たげなAちゃんを引っ張ってきたけど…今もソファに座ってボーッとしとる


｢Aちゃん、とりあえずお水飲も？｣
『え〜？お酒は？』

｢もう眠いやろ？寝酒になるのはアカンで？｣
『大丈夫やって〜…』

｢明日二日酔いで仕事するようになるよ？夜からだからまだええけど…｣
『まだそんな飲んどらんやろ…いつもは浴びるように飲むんやから』

｢…じゃあ…持ってくるわ…あんま飲みすぎないでや！？｣


余裕そうに手をひらひらと振ってみせるAちゃん
本当に分かっとるんかこの人は…


好きな女が頬を赤くして自分の家にいるんや
自分で連れ込んどいて言うのはあれやけど
余裕がないんは俺の方


｢ほどほどにな｣
『かんぱい』


無音は少し寂しいのでテレビを付けてゆったり話しながら飲んでた


｢ところでさ、Aちゃんは異性の家で飲んだことってあるの｣


夜も深くなり、今日も終わりになりそうな頃
先程から疑問に思っていたことを唐突にぶつけた

今思うと無神経な質問だったと思う


『なんで？』
｢いやあ…だってスキャンダルとかないやん？
こんな調子で他所ん家で朝までとかだとお泊まりとか言われるやろ？｣

『あー…せやな…
確かに今日が初めてなんやけど』


｢今まではどうしてたん？｣

『今までは…なんてと言うか
メンバー以外にはガード堅かったし…

世間一般的なウチは無口でクールで無愛想だから…一緒に飲んでてもおもろないって思われるだろうね』


｢メンバーとも？僕が初めて？｣

『せやで？昼にも言うたやろ？基本1人だって』



『本当は…自分から誘うことできひんし
誘われてもメンバー外だと…なんか違うっていうか』

｢そか…｣




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