どんな悪夢も敵わない ページ8
You side
『…ん……ぅん？』
何かおかしい
寝る前と違う息苦しさを感じて目を開けて横をみたら、すぐ近くに伏せられた長いまつ毛
苦しいと思ったのはお腹に乗せられた腕のせいみたい
別々に眠りについたはずなのに潜り込んでくるなんて珍しい
何かあったのかも、と思うけどわざわざ夢の中にいるのを起こすのも忍びなくて
仰向けになってた体を向かい合うようにして胸に顔を埋めてみる
すうっと息を吸い込むと香水も何もつけていない優吾くん自身の匂いがして
同じ家に住んでるのに私とは全然違う匂いがするのが何か不思議な気分だ
高「…A……」
不意にぎゅっと抱き寄せられて体が密着する
起きたのかな？と少し顔を上げて窺ってみたけどどうやらそう言うわけではないらしい
でも眉間に皺が寄っていて、ちょっと息が苦しそう
時々夢見が悪いと言っているし、もしかしたらまた良くない夢を見ているのかもしれない
『ゆうごくん…優吾くん、』
起こしたくはないけど、苦しんでいるのをそのまま見ているのも嫌だ
高「ぅ…ん……」
『優吾くん、大丈夫？』
高「…ぅ……A…？」
『うん、起こしてごめんね？
苦しそうだったから…』
ゆらゆらと揺れる瞳が私を写した瞬間、ぎゅうっと胸の中に抱え込まれて首元に顔を埋められた
高「嫌な、夢見て…」
首元で深呼吸する優吾くんは少し震えている
寝起きで意識がはっきりしてないにせよ、こんな弱ってる姿を見せてくれるなんて貴重で
少し嬉しいのは秘密だ
高「Aも疲れてるから1人で休ませてあげたかったんだけど…
ごめん」
『んーん。頼ってくれるの、嬉しいよ』
あ、嬉しいって言っちゃった
でも仕方ないよね、本心だから
『優吾くんもっと我儘言って？
聞いてあげられない時はあるけど、できるだけ叶えてあげたいの』
我慢する癖がついてる
そう言われる私達だから
聞ける時に聞かなきゃ爆発しちゃう
高「ありがと
とりあえず、今日はこのまま一緒に寝ていい？」
『いいよ』
高「…できれば明日も」
『ん。』
高「本当？いいの？」
『もちろん』
不安そうに顔を覗き込んでくるから目を合わせて微笑めば優吾くんも嬉しそうに笑ってくれて
ああ幸せだな
ってクスクス笑い合う
高「おやすみ」
『おやすみなさい』
あ、どんな夢見たのか聞き忘れた
でも起きたら忘れてるよね
きっとどんな悪夢も
この幸せには敵わないから
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う - 裏のお話読みたいです。 (2021年3月15日 23時) (
レス) id: 6a8c898693 (このIDを非表示/違反報告)
美紀(プロフ) - 移行おめでとです最高ですコロナウイルスに気をつけてくださいね (2021年2月14日 10時) (レス) id: e19dcb272d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りん | 作成日時：2021年2月14日 2時
