思うほど、簡単じゃなくて―橙― (ページ5)

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実感ページ5

『・・・・本当に？』

次の日、事務所で貰った資料を確認して自分の目を疑った。

関ジャニ∞っていうグループは、すごく人気があるということ
それこそ５大ドームが満員になるぐらい

それぞれがレギュラー番組持ってたりドラマに出てたり
舞台をやってたりソロデビューしてたり・・・

とにかくすごく忙しいグループってこと

そして、一番ビックリしたのが

昨日バーで会ったまるやまさんが、メンバーだったこと

『・・・ケンさん！』

慌てて携帯を見ると、ケンさんから丸ちゃん、関ジャニだよって
昨日の深夜になんかペコペコ動くスタンプと一緒に送られてきてた

なんて返していいかわからない・・・

－あたしなんかで務まるの・・・？－

正直デビューしたての新人とか、言葉は悪いけど
あまり仕事の無い人とか
そうゆうところから慣れてくと思ってた。

それが最初からこんな有名なグループで
しかもそのメンバーと挨拶の前に会っちゃって
ろくな挨拶もしなかったなんて・・・

でも、一人で焦って悩んでもしょうがない。
気持ちを切り替えて、業務の注意事項とかマニュアルとか頭に叩き込む。

できること、しなくちゃ。
新卒で入って３年で辞めて、次の職場で使い物にならないなんて
おにーちゃんたちに合わせる顔が無い。

昨日は結局寝れずに、出社。

定められてる服装はオフィスカジュアル、ってことなので
無難に大き目の白いシャツと黒のスキニーにした。

まだ眠そうな榊さんに、一緒にお仕事する方を紹介してもらう。

チーフは榊さんで、サブマネが田中さん。
メンバーが多いから、時間や週で交代制で担当するとのことだった。

「とりあえず今日はメンバー皆オフだから、打ち上げまでは書類仕事だなぁ」

田中さんはいたって真面目そうな中年男性でちょっとほっとした。
この人はあたしのこと、女って知ってるんだろうか・・・

とりあえず自分のデスクでＰＣを起動させてると

「Aさん、ちょっと話せる？」

榊さんに呼ばれて、ガラス張りの榊さんのオフィスに向かう。

「あのね、Aさんの詳細なんだけど
　今のところ現場で知ってるのは、僕だけなんだよね」

『・・・はい』

「上層部と、人事はもちろん知ってるけど
　まぁ～ね、田中とかメンバーにはね、おいおいね」

ニコっと笑って言われたので、わかりましたと答えるしかなかった。