花になりたい彼女 (ページ12)

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10輪ページ12

『ただいま』

涙でキラキラと反射した翡翠をこちらに向けてくる

滅多に見せねぇ満面の笑みを浮かべて見上げられたらさすがに俺でも

『んふふ、千空真っ赤』

ｯこのやろ…
勝ち誇ったような顔しやがって…

「…3700年ぶりの再開だ」

俺の胸に擦り寄るAの腰を引きそのまま耳に顔を近ずける

『…、？』

「後でたっぷり楽しもうなぁ…？」

『……ｯ！？』

少しの沈黙の後ボフｯと音が聞こえるくらい真っ赤になった

ククク…相変わらず耳が弱ぇこって

『んー…』

してやったりーって思ったらやり返された…

耳苦手だし千空は普通に声がいい

し、しかも唇耳にちょっと当たってたし…

顔を見られたくなくてまたグリグリと頭を押し付ける

「そいつが千空の彼女だったのかよ！？」

『！』

そ、そう言えば千空に会えて嬉しくてつい忘れてたけど…

「千空もあ～んなデレデレな顔するのだな～？」

「羨ましいーーー！！！」

「ラブラブなんだよ～…」

人前なんだった…
なのに私思いっきり千空に抱きついたりとか…うわぁぁぁ！

穴があったら入りたい…

「紹介しねぇとな」

『白田Aです…よろしくお願いします、』

これから一緒に過ごすことになるだろう彼らに深々と頭を下げる
お見苦しいとこ見せちゃった…

恥ずかしくて下げた頭を上げれずにいると、誰かが近寄ってきた

なかなかのスピードで近づいて来たもんだからつい顔を上げると、頭にハチマキを巻いた男の子が私をガン見していた

え、何何怖い

するとガシッ！と両肩を勢いよく掴まれた
い、一応怪我人なんだけどな…

「お前千空の彼女なんだろ！？なんで生きてんだ！？」

『え』