.【橙】 ページ17
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園と所の職員で、食事会と相成りまして。
園長主催の、先生らの慰安会というか、懇親会というか。
そんな席でも、園長に甘えるAちゃん。
別にええねんけど。
そもそも周りの先生らもAちゃんを、特別扱いというか年齢関係なく、皆の孫的な所がある。
その筆頭が、園長こと我が母。
それに少し呆れるような気持ちで割り箸を割っているとふと、こんな疑問が浮かぶ。
……あれ？
なんで僕、Aちゃんのこと好きなんやろ？
ずっと一緒に居ったし、きっかけらしいきっかけも、もはや思い出されへんやん。
まあまあ年も離れてるし、お下がりもあげてるような間柄で、何がどうして、こんな重たい感情を持つようになったんやろ？
あの子のええとこって何？
そう思うてしまった。
不味い。
恋愛感情に理由を付けたなってる。
そう思うて観察してみる。
きちんと周りを見られる、たえ先生。
皆の飲み物を気にする、安藤先生。
サラダを取り分ける、ミカ先生。
会費係を任されてる、青井先生。
テーブルの様子を見て追加注文する、田中先生。
……特に、どう動いてる訳でもない、Aちゃん。
好きに食べ好きに喋り、到底、気が利くとは言えない。
「園長先生〜そこのお肉取ってくださ〜い」
おいおい一応、上司やんか。
「まるちゃん先生、これ美味しいよ〜」
ほんま〜と聞き返す自分に少し嫌気が差した。
その数日後。
僕は『何故』の答えを簡単に得ることとなった。
『まるちゃん、傘持ってきて！！
今駅！！ごめん！！お願い！！！！』
遅い。
友達と遊びに行って終電で帰ってきて、降りたら雨だったの、と電話口のAちゃんは、大声で言う。
確実に飲んでるな。
お父さんでもお母さんでもええのに頼まれへんのは後で、色々言われてまうからで。
結局、いつもこうやって上手く使われてる。
確かに、今日は僕、夜勤と違うし、暇やけど。
しゃーないので上着を着て電気を消す。
下に降りると丁度当番の先生が所を閉めているところで、
『あ〜、A先生のお迎いですか』
とにやりとされる。
せやねん、ほんま困るってー、と手を振って別れて駅へ向かう。
土砂降りの駅前でぶんぶん手を降る、ロータリーの白い服。
「ありがとまるちゃん！ホント助かった！！」
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ゆうみ(プロフ) - りずさん» あー！確かに書いてみたいです！すばるさん目線多めとかだと面白いかもしれないですね！ (2019年9月29日 22時) (
レス) id: 23afaa0b1c (このIDを非表示/違反報告)
りず(プロフ) - 完結おつかれ様でした。おまけ的なので、その後の関係性とかも読んでみたいです。 (2019年9月29日 10時) (レス) id: 8a21356a9d (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみ(プロフ) - りぃさん» 頑張って更新しますのでよろしくお願いします！ (2019年9月23日 9時) (レス) id: 23afaa0b1c (このIDを非表示/違反報告)
りぃ(プロフ) - 文才がありすぎて頭の中に情景が浮かぶって本当にすごい事だと思う。大倉夫人も楽しみにしてます！ (2019年9月20日 22時) (レス) id: 59313af0bd (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみ(プロフ) - りぃさん» 宮野さんもめちゃくちゃ長いのに読んでいただけたんですね！私の書く話は後で読み返して自分がニヤッと出来る、というのが目標なので、その思いを共有していただけることが幸せです…。 (2019年9月20日 21時) (レス) id: 23afaa0b1c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうみ | 作成日時：2019年8月25日 20時
