.【橙】 ページ26
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「買い物とか、するんですね」
「うわ、びっくりした」
「あ、なんかすみません」
「えっと…202。」
「丸山です」
「丸山、さん」
「そうです」
スーパーの陳列棚の前で並ぶ商品を見ながらしゃがみ込む怪しい、そして見覚えのある背中。
「買い物やってするに決まってるやろ」
「なんか、意外やなっていうか、」
「そうか？」
「Aちゃんが見たら、また、好き好き光線出ますわ」
「なんやそれ」
「想像です」
「……まあ、あの子かわいいしな」
「ですよねー」
「やっぱ好きなんや」
「………」
「いや皆気づいてるてそんなん」
「ほんまですか」
「うん」
「辛いです」
「はよせえ。獲られるぞ」
「…渋谷さんとかですか？」
狙ってますか。
何とかここは返事を聞きたい所。
でも帰ってきたのは意外な返事やった。
渋谷さんは苦い顔で言葉を放った。
「…俺は、嫌や。あんなん無理やわ。
掴めへんのは、難しいてほんま。」
「掴めへん…かなあ？」
「普通とちゃうやん。
その辺の子やったら、もっとアレやんか。
俺、嫌やねん。
ああ言うおもろい子が、俺と付き合うて、普通の人になってまうの、キライやねん」
「普通の人？」
「なんや知らんけど、ほらあるやん。
どこ行ってたんって泣いたり、責めたり。
束縛されたないねん」
「不安にさせなきゃええやないですか」
「勝手になっとんねん」
「恋愛に向いてないんと違いますか。」
「多分」
「……」
思わず閉口。
この人は、少し、いや、だいぶそういう人だ。
付き合う女のひとをダメにしてしまうタイプの、駄目な人。
メンヘラホイホイなのか
メンヘラ製造機なのか。
一生知りたくない所ではある。
「それより、自分。どーすんねんあの子」
「どーすればええでしょうか」
「知らんわ。
……好きですとか言うたらええんとちゃうか」
「どんな時にどんなカッコで、何処で言うたらええのかさっぱり…」
「うるさいな、あれやろ、それやったら聞いたったらええやん」
「え？」
「本人に聞けばええんと違うって話や」
「………ええ？！」
「存分に悩め。
その間に喰ってもうてるかも知らんけど」
「駄目ですってほんまそれは！」
「じゃ」
渋谷さんは、さっさとレジの方へ行ってしまった。
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ゆうみ(プロフ) - りずさん» あー！確かに書いてみたいです！すばるさん目線多めとかだと面白いかもしれないですね！ (2019年9月29日 22時) (
レス) id: 23afaa0b1c (このIDを非表示/違反報告)
りず(プロフ) - 完結おつかれ様でした。おまけ的なので、その後の関係性とかも読んでみたいです。 (2019年9月29日 10時) (レス) id: 8a21356a9d (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみ(プロフ) - りぃさん» 頑張って更新しますのでよろしくお願いします！ (2019年9月23日 9時) (レス) id: 23afaa0b1c (このIDを非表示/違反報告)
りぃ(プロフ) - 文才がありすぎて頭の中に情景が浮かぶって本当にすごい事だと思う。大倉夫人も楽しみにしてます！ (2019年9月20日 22時) (レス) id: 59313af0bd (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみ(プロフ) - りぃさん» 宮野さんもめちゃくちゃ長いのに読んでいただけたんですね！私の書く話は後で読み返して自分がニヤッと出来る、というのが目標なので、その思いを共有していただけることが幸せです…。 (2019年9月20日 21時) (レス) id: 23afaa0b1c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうみ | 作成日時：2019年8月25日 20時
