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「お姉ちゃんと暮らしたい」
律はそう言った。
「無理なお願いなのは分かってんねん。
でも私、ちょっとでもお姉ちゃんと一緒に居りたい。
卒業するまで、そこだけでええから」
大学卒業を控えた律。
目が覚めて入院していた時も、ずっと病院に居てくれて、一緒に暮らしてるようなものだった。
でもその分今度は私が、妹の近くに居てあげたかったので、すぐに頷いた。
いよいよ、私の人生が再開する。
一時停止されていたものをまた再生するように、私はこれから進んでいくのだ。
家事は妹がやってくれると言う。
『お姉ちゃんの貯金使うてもうたし、』とかなんとか言っていたけれど、そんなこと気にしなくていいのに。
どうせ私のことで必要なお金だったんだし、妹の学費や生活費だって、出してあげるつもりだったんだから。
「前のマンション引き払うん大変やったんやで。
あんた知らんと思うけど。荷物も捨てられへんし、」
妹はまあまあに良い腕前で、
料理が作れるようになっていた。
成長に驚くばかりだ。
嬉しくて寂しい。
甘ったれた律を、私は2年ですっかり大人に仕立ててしまったようだ。
「ありがとう」
「お礼やったら、村上さんと丸山さんにして」
「え？」
「手伝いに来てくれはってん。
ほんま、特に丸山さんにはちゃんと言うといてな」
「なんでまるちゃんなん」
「なにとぼけてんねん。
私にやってもう大体分かってるで」
得意げな顔を阿呆面で見返す。
「は？」
「自分、丸山さんと付き合うてたんやろ？」
「………え？」
「誰よりお見舞い来てくれて、何かと色々してくれて、」
「それほんまに？」
「え？逆に、ちゃうん？」
「こっちが知りたいわ」
「はあ？ …………もしかして、忘れてるん？」
「いや、あの、」
「言いたくないならええよ」
「……ごめん」
「難しい世界で生きてるのは、知ってるから」
何だか勘違いしているようだ。
律の言い方だと、確証はなさそう。
いっぱい見舞いに来た=彼氏ってことか。
言い淀む私を見て、律の返した言葉が耳に残った。
大切な人が出来たとしても姉は、妹にすら言えない立場にある。
それを理解し、受け止める気持ちくらいある、と律は言いたかったのだろう。
律は私を力いっぱい抱きしめた。
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ゆうみ(プロフ) - みきさん» みきさん、コメントありがとうございます。ラストまでもう少し、お付き合いください！ (2020年1月20日 11時) (
レス) id: 23afaa0b1c (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - 更新ありがとうございます！まさか…章ちゃんではない可能性が…？！ハラハラドキドキしながら続きを楽しみにしています。 (2020年1月19日 5時) (レス) id: d5b4f7ed9e (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - 初めまして。どの作品も読ませて頂いてます。まさかお相手が章ちゃんだったとは(*/∀＼*) 章ちゃん大好きなので嬉しいです！記憶も戻ってハッピーエンドになりますように。このお話の一話からもう一度読み返します！ (2020年1月8日 19時) (レス) id: d5b4f7ed9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうみ | 作成日時：2019年9月27日 5時
