48【黒】 ページ4
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どないしたら分からへんくて、俺はただただ狼狽するしかなかった。
「え？どうしたん！……A、ええ？ あの、なんで？」
「……っごめん、私、抑えて抑えてここまで来て…
あの、よこやまさんに、あの聞いてもら、
あ、ちゃうねん、聞いてもらえんくてもええねん
どうせ、言えへんし……やのに、あの人、ピンポイントで…
普通居らへんやんか…」
「はあ！？」
何とか席に座らせて、聞き出そうとしても、しゃくりあげるばかりで、なかなか理由を喋ろうとしない。
意味も分からず、俺はただ決壊したAを見つめていた。
落ち着き始めたのは、そこそこの時間が経過した後で、場所も俺の家に移った後のことやった。
「なんか飲む？」
「水、飲みたい」
「まあ、そうやろうな」
完璧仕事人間のAを、見慣れ過ぎていたので、むしろこのふらふらになるまで体力も考えんと泣き続ける無鉄砲さは、Ｊｒの頃を思い出して、懐かしかった。
そういえばヒナが前に
『Aは息抜きが下手やし、してるつもりで、また色々勝手に抱えてまうから、いつか限界が来る』
て言うてた。
それが、これなのかも知らへん。
「さっき、泣いてた理由やけどな」
「おお、」
「無理やのは分かってるけど、今から話すのは二度と思い出さんで、忘れて。
いい？」
「うん……？」
「……私、さっきのお友達さんの父親に、いや、父親と、関係しててん。
……あれや、枕や、枕営業。
19の時、女優の藤峰りか、居るやん。
あの人のこと好きになって、付き合うてたんやけど、それ、付き合うてるつもりなだけで、私騙されてて。
りかさんの、結婚したかったひとが☐☐の役員で、奥さんになったら、ＣＭ降ろすって言われて、でも、あの友達さんの父親が私と出来るなら、使い続けるって言って、りかさんは私を……。
その為に私、利用されてん。」
言葉が出えへんくて、俺は次の言葉を待つしかなかった。
Aは乾いた笑い声を上げた。
「急に皆の仕事増えたタイミングあったやろ？
これのせいや。
友達さんの父親だけとちゃうで。
“紹介”されて、嫌で嫌でしゃーなかった。
当たり前やけど…。
でもやらんと、りかさんとみんなが、この業界に居られんくなるって言われたら
寝る以外の選択肢なんか、なくて。
それから枕は自然消滅してって何年か前、あっさりあいつが死んで、やっと終わったの。
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ゆうみ(プロフ) - まーさんさん» 本当にありがとうございます！私もすごくお気に入りで自分でもたまに読み返します笑。最近あまり更新できなかったのでこれから少し頑張るつもりです。ぜひ読んでもらえればと思います。 (2019年10月25日 23時) (
レス) id: b00a6f057e (このIDを非表示/違反報告)
まーさん(プロフ) - はしめまして。この小説の全てが好みすぎて初めてコメントしました……！月並みな言葉しか書けませんがとにかく好きです！ってことを伝えたくて、、！ゆうみさんの小説全て好みなのでこれからも無理のない程度での更新楽しみにしてます！！ (2019年10月20日 19時) (レス) id: 880f5c4f88 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうみ | 作成日時：2019年8月18日 9時
