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「迫真の演技でしたね」
スタッフさんの褒め言葉が、私の頭上を飛んでいく。
「やっぱ、Aはエイトの演技班やな。
俺もやけど。でも今のシーン、凄かったで。」
私の演技なのに、何故か自分が得意げなどっくんの眼が、ぼんやり歪んだ。
張り上げられた「クランクアップです！」を、正直意識のはっきりしていない中聞いた。
花束が出てきて、コメントを求められると、叩き込まれたアイドルとしての笑顔で、感謝を伝えた。
……何を言ったかは、丸で覚えていないけれど。
今日は、密かに思いあう書生と花霧(私)の仲を知った青柳(どっくん)が書生の前で花霧を抱くシーン。
見世にやって来た青柳は、上客としての立場を利用し、わざわざ弟子の書生を連れ、花霧を買う。
「いいか、女ってのは、こうやって抱くんだよ」
いわゆる寝取られ、である。
普段私は、自分の経験を元に演技をしたりしない。
私には元ネタになりそうな材料は存在しないし、そもそも、演じる登場人物は私ではないのだから、その人として考え、行動すべきだと思っている。
なのに今日は、自分のことばかり考えてしまった。
19歳の、私のこと。
花霧と似ているかと言われれば、そうではない。
ただ、「好きでもない人に抱かれて、そのことを好きな人が認識している」という状況が同じ。
想い人の目線が突き刺さる中、赤い襦袢は今日も肌を隠してはくれない。
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ゆうみ(プロフ) - まーさんさん» 本当にありがとうございます！私もすごくお気に入りで自分でもたまに読み返します笑。最近あまり更新できなかったのでこれから少し頑張るつもりです。ぜひ読んでもらえればと思います。 (2019年10月25日 23時) (
レス) id: b00a6f057e (このIDを非表示/違反報告)
まーさん(プロフ) - はしめまして。この小説の全てが好みすぎて初めてコメントしました……！月並みな言葉しか書けませんがとにかく好きです！ってことを伝えたくて、、！ゆうみさんの小説全て好みなのでこれからも無理のない程度での更新楽しみにしてます！！ (2019年10月20日 19時) (レス) id: 880f5c4f88 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうみ | 作成日時：2019年8月18日 9時
