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もちろん、終業時間は過ぎて、帰宅の途につく。
忠兄からのラインが溜まっていた。
すまん。
仕方ないので、歩いて帰ることとする。
歩いて帰れることが実家から通うことの一番のメリットである。
錦戸さんの食事の誘い(全員にしている挨拶とも言う)(でも誘われたら嬉しい)をすり抜け、とぼとぼ歩く
(抜けたらもう次の女性社員へ)(ちょっと悲しい)(仕方ない)(顔が良い)。
うちの営業所には、本社にあったロッカー付の更衣室がない。
制服ないのはいいけれど、スーツで歩くのは疲れて仕方がない。
とはいえ電車を乗り継ぎ、意地でもあのアパートからここへ通っていた頃からは考えられない、心の余裕ではある。
夏だが、すっかり道は暗い。
3センチのヒールが地味にふくらはぎを痛めつける。
グレーのジャケットと、スカートのありきたりなセットアップ。
可愛い(特に年下)社員さんたちは決められたフォーマルの枠の中でもっとおしゃれに日々を決めているというのに、なんという体たらくであろうか。
それに夜道を独りで歩いて、帰るのが実家なんて、安心ではあるが何だか物悲しい。
一生こんな感じで、仕事するのか。
鍵を持ってなくても、開く暖かい扉を開く。
ダイニングには夕飯を既に終え、晩酌を始めている兄二人。
「A、遅かったな」
「Aちゃん、ご飯チンして食べ。」
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ゆうみ(プロフ) - りずさん» ありがとうございます！私のイメージがかなりバレるお話かなあと思っています笑 (2019年9月29日 22時) (
レス) id: 23afaa0b1c (このIDを非表示/違反報告)
りず(プロフ) - この話好きです！！不器用で、でも一生懸命な丸ちゃんが可愛すぎて。ヒロインちゃんの背中を押してくれるすばるくんも、素敵。 (2019年9月29日 10時) (レス) id: 8a21356a9d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうみ | 作成日時：2019年8月10日 9時
