4.僕の願い【橙】 ページ47
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.僕の願い【橙】
あの電話が来たけど
僕は待ち合わせ場所へ向かった。
勿論Aさんは
時間を30分超えても来うへんかった。
……そうやんなあ…。
脈、あらへんかったんやなあ。
最初からあんな子が
僕に振り向くわけなかったのかも。
電話越しの君の
疲れきった声は溜息混じり
その度に逃げるって誰か言ってた
会いたいよ今すぐ
強引なくらいギュッと抱きしめたいよ
僕はずっと珍しいタイプの
「みんなが好きになる人」を
好きになるのは難しいって思うてたけど、
「嘘を言わへん人」の言葉を
信じずに待つのも、なかなか辛いことやなあ。
溜息の風で飛んでく様な「ハピネス」
そんなんいらへんちゅうの!
欲しいのは君だけ
雪が舞い始めてきた…。
幸せそうな街の明かりが
一人で立つ僕を照らしていた。
僕は振られたはずやのに何故か
変な希望を捨ててなかった。
絶対来る。
なんでやろう、そう思ったんや。
でも現実は寒い街角。
僕はコートに手を突っ込んで一人。
笑ってまうよなあ。
だから ねぇ抱きしめてしまいたい
赤い服着て そう 君のハート盗むんだ
「……丸山さん！！」
突然、君の声が遠くに聞こえて
僕は思わず辺りを見渡した。
人波の中にそれらしい姿は見えない。
ついに幻聴。
それを振り切るように頭を振る。
何してんねやろ…。
そう思うて目線を上げると、
そこには、幻覚みたいな君が居った………。
「ごめんなさい！遅れて…！」
「そんなん全然構へんよ。
それより、大丈夫？」
「…すみません、走ったので
髪もしっかりやったのに
駄目になってるし、服やって…あの」
「あ！お化粧、今日はいつもと違いますね！」
「……え？」
「あ…ちゃいました？
いやあ、前錦戸さんが言うてたんです。
特別な日は、お化粧気合入るって。
でも僕よう分からへんくて…。
やって、毎日…その、可愛いから」
Aさんの涙は、更に頬を伝った。
僕は、どないすればええか
分かれへんくて更に続ける。
「……あー今日はクリスマスやないですか、
やからほら！
コートの下は見てこれ赤いの着てみました！！
やっぱり大事やのは季節感！
っていうか行事感！！」
「……………私、良い子に、してましたかね」
「……良い子に決まってるやないですか」
君の瞳が涙に濡れぬ様に
ありがちだけど他に見つけられない この言葉を
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ゆうみ(プロフ) - りずさん» ありがとうございます！私のイメージがかなりバレるお話かなあと思っています笑 (2019年9月29日 22時) (
レス) id: 23afaa0b1c (このIDを非表示/違反報告)
りず(プロフ) - この話好きです！！不器用で、でも一生懸命な丸ちゃんが可愛すぎて。ヒロインちゃんの背中を押してくれるすばるくんも、素敵。 (2019年9月29日 10時) (レス) id: 8a21356a9d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうみ | 作成日時：2019年8月10日 9時
